男性は2年我慢するのがベスト

【小林】その通り。だからこそ、年金については「まったくもらえない」という極端な危険性よりも、「受給開始年齢の引き延ばし」や「もらえる総額の減少」といったリスクに目を向けたほうが現実的なので、そちらを考えるべきといえます。

【梅田】年金は結局、何歳でもらえば一番、得なんでしょうか? もらう年齢を前倒しにするか、後ろ倒しにするか、はたまたノーマルに規定年齢の65歳からか……

【小林】これは寿命や生涯収入、国民年金と厚生年金にどれくらいの期間加入しているかなど、非常に個人的な要素が絡んでくるのでケースバイケースと言わざるを得ないのですが……シンプルなケースとして、仮に国民年金の受給者が平均寿命まで生きたとしたら、でシミュレーションしてみましょうか?

【梅田】はい、お願いします!

【小林】男女で平均寿命が違うので、別々に計算しますね。まず、男性の場合から。ズバリ繰り下げて、「67歳0カ月」から年金を受け取るのが最もお得です。つまりノーマルな受給年齢から2年、我慢をすればいいということになります。

81歳まで生きると仮定して計算

【梅田】「2年」という数字はどこから?

【小林】まず、繰り下げ受給の計算式を紹介しますね。1941年4月2日以後に生まれた人が年金を繰り下げ受給する場合、「65歳に達した月から繰り下げた受給開始月の前月までの月数」に0.007を掛けた割合の年金が加算されます。

たとえば66歳0カ月に受給開始年齢を繰り下げた場合、12カ月×0.007=8.4%が年金に加算されるので、1カ月あたりの年金は繰り下げ受給をしない場合と比べると108.4%になります。仮に本来10万円の年金だった場合、10万8400円もらえるようになるということです。

【梅田】1年遅らせるだけで結構増えますね。じゃあ、どんどん繰り下げればいいような……

【小林】でも、人間には寿命があることも考えなくてはいけません。極端な話、もし66歳に受給開始年齢を繰り下げて66歳1カ月で亡くなってしまったら、年金は1カ月分しかもらえないですよね。

つえをついた高齢者を支える看護師
写真=iStock.com/Drazen Zigic
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【梅田】たしかに。だからさっき、平均寿命の話が出てきたんですか。

【小林】そうです。男性の今の平均寿命が大体81歳なので、65歳から残されている時間は16年。16年生きると仮定して計算すると、最も年金受給額の合計が多くなったのは、67歳0カ月でした。