「第2の開港」で地域が変わる
機能強化が進む成田空港、周辺を巻き込み一大拠点へ
輸出入額ベースで日本最大の貿易港である成田空港。ここでは今、航空需要の増大を見据えた大規模な拡張事業が進んでいる。将来的には滑走路が現在の2本から3本に増え、年間発着枠や貨物取扱量が大幅に拡大する見込みだ。また、既存の複数の旅客ターミナルを一つに集約する構想も検討が進められている。
この第2の開港ともいえるビッグプロジェクトと併せ、千葉県では、その効果を空港のみならず周辺にも広げていくため、「NRT(ナリタ)エリアデザインセンター(NADC)」をNAAと共に設立した。
同センターの役割について、総合企画部の成田空港政策担当者は「産官学の多様な人材が集まり、自由な発想で議論しながら空港周辺地域のあるべき姿を描く場」と語る。NADCでは、空港と地域の目指す姿をまとめた「SORATO NRT エアポートシティ構想」を発表した。
構想では、ビジョンに「誰もが輝き、世界と響き合う『フラッグシップ・エアポートシティ』」を掲げ、その実現に向けた取り組みとして、高付加価値産業の面的誘導、居住環境や教育環境の整備、空港アクセスの整備などを挙げている。また、空港の周辺地域を五つのエリアにゾーニングし、それぞれに適した形で開発を進めることで、地域経済のみならず日本経済をも牽引する空港都市圏をつくり上げていく計画だ。
「今はこの構想をたたき台として広く議論や参画を求めている段階。県としてはまず日本の経済成長に資する産業拠点づくりと、空港周辺の交通網の整備に注力しています」(担当者)
その言葉通り、県は国に対して国際的な産業拠点形成や(都心との)道路・鉄道アクセスの充実・強化などを強く要望。一つの成果として、昨年には国家戦略特区指定が全県域に拡大された。これを機に、産業拠点づくりに向けた企業誘致にも弾みがつき始めている。
名称は「SORATO NRT」
動き出す空港周辺「エアポートシティ」構想
もともと成田空港は、健康医療製品や精密機器、農林水産物の輸出額が全国の空港でトップクラス。県は、国際空港である成田空港周辺に立地のメリットがある産業の集積を目指しており、まずは空港と親和性が高い航空宇宙関連企業の誘致を強化している。
一方の交通網は、道路では間もなく圏央道が全線開通予定。鉄道関連は、さらなるアクセス向上に向けて、国・鉄道事業者などを交えた検討も行われている。完成後には成田・羽田の首都圏空港の連携が大きく向上する。さらに、県は成田と羽田を結ぶ自動物流道路の実現に向けて、空港周辺での実証実験も開始した。
ブランディング面でも取り組みが進む。1月、エアポートシティの名称が「SORATO NRT」に決定。民間公募から着想を得て決定されたこの名称には、「世界の空の都を目指す」「地域として空と共に生きていく」という二つの思いが込められている。
今後について、成田空港政策担当者は「ハード・ソフト両面で計画を推進し、エアポートシティ構想は絵に描いた餅ではないと結果で示していく」と語る。空港と地域の一体的発展に向けて、県を挙げての取り組みは続く。

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