精神論的な指導では意味がない

以上の3つが、親がつい言ってしまいがちな「NGフレーズ」です。

迫田学『中学入試 計算のスペシャルルール』(かんき出版)
迫田学『中学入試 計算のスペシャルルール』(かんき出版)

このような「精神論」をいくら説いても、残念ながらミスは減りません。それどころか、親が注意するほど子どもは「間違えてはいけない」と萎縮し、脳のパフォーマンスが落ちてしまいます。

必要なのは、「ミスの発生を構造的に防ぐルール」を徹底することなのです。

たとえば2位で挙げた「もっと丁寧に書きなさい」はNGですが、文字や数字をきれいに書くのではなく、「イコールの位置をきれいに揃えて“縦書き”にする」という書き方のルールを守ることが有効です。

計算の途中式ではいくつも「=(イコール)」の記号が出てくることがありますが、計算式をだらだらとノートの右端まで横に続けて書いていくと、式の途中で改行することになりとても見づらくなります。思考が止まって計算スピードが落ち、ミスも生まれてしまいます。

ですので、下記例のように計算式をキリのいいところで「改行」して、「=」の位置が縦一列(上下関係)に揃うように、書くことが鉄則です。

(例)

16+13+10+7+4+1−11−9−7−5−3(改行)

=(16+13+10+7+4+1)−(11+9+7+5+3)(改行)
=(16+4+13+7+10+1)−(11+9+7+3+5)(改行)
=51−35(改行)
=16(最後の答えには、下線や丸などの印をつける)

ノートのスペースは多く使いますが、もったいないと思わずに贅沢に使いましょう。このように書くと、上下の行を見比べるだけで「何がどう変わったか」が一目でわかるため、視覚的なセルフチェックが自然に行えるのです。

スペースの問題もあり、参考書や問題集ではイコールを横につなげて表記していることも多いですが、本来ならすべての計算式を=で「縦書き」にするべきです。

また、式を解いて最終的に導いた「答え」には、下線や丸などの印をつけましょう。解答用紙への転記ミスを防ぐ目的です。