「やってみたい」気持ちを後押しする方法

「面白そうだね!」という共感と、「そして、どうなるの?」という好奇心。この二言を繰り返すだけで、親子の会話は「宿題やったの?」という一方的な確認作業から、未来を一緒に描くワクワクする時間へと変わっていきます。

このシンプルな積み重ねが、お子さんの好奇心の芽を育て、「自分からやってみたい!」という主体的な挑戦心を大きく育むのです。

しかし、ここで多くのご家庭が、空想の世界から、現実の世界への「最初の一歩の壁」に直面します。

「新しい習い事を勧めても、『うまくできなかったら恥ずかしいから』と尻込みしてしまう」
「難しい宿題を前に、『どうせ解けないから』と、手をつける前から諦めてしまう」

せっかくの好奇心や「やってみたい」という気持ちも、「失敗への恐れ」によって、行動に移す前にしぼんでしまう。これは、非常にもったいないことです。

階段に一人で座っている子供
写真=iStock.com/photocheaper
※写真はイメージです

では、どうすれば、お子さんが失敗への不安な気持ちを乗り越えて、「えいっ!」と軽やかに最初の一歩を踏み出せるようになるのでしょうか。

その答えは、とてもシンプルです。それは、ご家庭の中に「まず、やってみよう!」という魔法の合言葉と、「失敗しても大丈夫だよ」という温かい空気をつくること。つまり、「失敗を歓迎する文化」を、家族みんなで育んでいくことなのです。

完璧な成功より「価値ある挑戦」を承認

子どもが挑戦をためらう最大の理由は、「うまくやらなければならない」というプレッシャーです。

特に10歳前後は、友人との比較や、親の期待を敏感に感じ取る時期なので、「失敗して笑われたらどうしよう」「がっかりさせたらどうしよう」という気持ちが、挑戦へのブレーキとなってしまうのです。私たちは、この目に見えにくいプレッシャーからお子さんを解放してあげる必要があります。

「まず、やってみよう!」という文化とは、「結果がどうであれ、挑戦したこと自体が素晴らしい」という価値観を、家族全員で共有することです。成功を祝うのはもちろんですが、それ以上に、勇気を出して一歩を踏み出したその姿勢を、最大限に承認するのです。

【ケース1:創作活動】

お子さんが「ドラゴンを描きたいけど、難しくて描けない……」と、白い画用紙を前に固まっているとします。

ついやってしまいがちな声かけ
「ドラゴンは難しいから、もっと簡単なネコさんにしたら?」 (→挑戦を避けることを教えてしまう)
「大丈夫、簡単だよ! ささっと描いちゃいなさい!」 (→「難しい」と感じる子どもの気持ちを否定してしまう)