2026年が始まった。昨年高まりを見せた「愛子天皇」待望論はどうなるか。皇室史に詳しい島田裕巳さんは「2025年の活発な公務から見ても、愛子内親王は自然な形で『帝王学』を授かっている。その成果が新年の『歌会始の儀』で歌として示されるのではないだろうか」という――。

お題「夢」で愛子さまが詠んだ歌

新年における皇室の行事としては、2日の一般参賀とともに、今月14日に行われる「歌会始の儀」がよく知られている。

これはNHKテレビでも中継される。その年の「お題」に添った和歌が、天皇の前で「披講ひこう」という独特の節回しによって詠み上げられるのだ。

そこで詠み上げられるのは、一般公募によって選ばれた「選歌」10首、各界の功労者などに特別に依頼された「召歌」、選考委員の「選歌」、そして天皇や皇族の歌である。

天皇や皇族の歌については、若い順に披露され、皇嗣こうしの立場にある秋篠宮夫妻の歌が披露された後に、皇后の「御歌みうた」、そして天皇の「御製ぎょせい」で締めくくられる。

2025年の「お題」は「夢」で、御製は「旅先に出会ひし子らは語りたる目見まみ輝かせ未来の夢を」であった。これは地方を行幸した際に接した子どもたちが未来の夢を語る姿に、天皇が喜びを感じたことを詠んだものである。

御歌のほうは、「三十年みそとせへて君とひたる英国の学びに思ふかの日々の夢」で、その前年の6月に国賓として英国を訪れ、留学していたオックスフォード大学を34年ぶりに天皇とともに訪れたことを題材に、若き日の夢に思いをはせた歌である。皇后は天皇のことを詠むことが多い。それは美智子上皇后にも見られたように、皇后の役目でもある。

愛子内親王が歌を寄せるのは4度目のことだったが、1月22日の歌会始の儀に初めて参列し、歌は、「我が友とふたたび会はむその日まで追ひかけてゆくそれぞれの夢」と、大学を卒業した年にふさわしい歌になっていた。

上皇ご夫妻へ新年のあいさつのため、仙洞御所に入られる天皇、皇后両陛下の長女愛子さま=2025年1月1日、東京都港区[代表撮影]
写真=時事通信フォト
上皇ご夫妻へ新年のあいさつのため、仙洞御所に入られる天皇、皇后両陛下の長女愛子さま=2025年1月1日、東京都港区[代表撮影]

今年の歌会始のお題は「明」

今年の「お題」は「明」である。宮内庁の説明によれば、「明」を歌に詠む場合、その文字が詠み込まれていればよく、「鮮明」や「文明」、「明星」といった熟語にしても、「明るい」のように訓読しても差し支えないということだった。

愛子内親王は、大学時代に歌人として名高かった平安時代終わりの式子しょくし内親王の和歌について研究していた。そうした研究を基にどういった歌を詠むかが注目されるようになってきたが、はたして今年はどういった歌を詠むことになるのか、大いに興味がもたれるところである。

愛子内親王が歌会始に歌を寄せるようになったのは成年になってからである。その点では今年、悠仁親王も、歌会始の儀には参加しなくても、歌を寄せる可能性は十分に考えられる。それも注目されるであろう。

今年歌を披露することになるのは、天皇夫妻、秋篠宮夫妻のほか、愛子・佳子両内親王は確実である。常陸宮華子妃は、退院直後ということもあり、昨年とは異なり、歌会始の儀に出ないかもしれない。一方で、三笠宮家の信子妃、彬子女王は、百合子妃の喪が明けたので出席が予想される。瑶子女王は、そもそもこれまで一度も出席していない。後は、高円家の久子妃と承子女王も出席するであろう。