ケース① 実家・義実家への帰省

お正月、実家に親族が集まり、お年玉をもらったり食事をしたりするのは毎年の恒例行事。親御さんは帰省するつもりだけれど、お子さんは「行きたくない」と言っている。まだ親戚に不登校のことを伝えていない場合、さらに悩みは深くなります。

「お年玉もらえるから行こうよ」「おじいちゃんもおばあちゃんも楽しみにしているよ」

お年玉袋
写真=iStock.com/Wako Megumi
※写真はイメージです

そんなふうにメリットを伝えて誘っても、お子さんの気持ちが動かないことはよくあります。悩んでいる時点で、お子さんはお年玉のことなんて分かっていますから、それでも行きたくないほどエネルギーが低下している、あるいは人に会うのが怖い状態なのかもしれません。

もし、お子さんが中学生以上などで、ある程度お留守番ができるなら、「子どもは家に置いていく」というのも、非常に良い選択肢です。無理に連れて行って、親戚から質問攻めにあったり、プレッシャーを感じてさらに塞ぎ込んでしまうリスクを考えれば、家でゆっくり休ませてあげる方が、お子さんにとってもプラスになることが多いからです。

親戚への伝え方

とはいえ、「孫が来ないなんて」と親族がガッカリしたり、納得しなかったりする不安もありますよね。その場合は、事前に電話などで正直に伝えておくことをお勧めします。

「実は今、学校に行けていなくて、あまり人に会いたがらないんだ」「本人は行かないって言っているから、今回は私(たち夫婦)だけ行くね」

当日になって「来ないの?」とガッカリされるより、事前に伝えておいた方が、親族側も心の準備ができます。「無理に連れてきて暗い雰囲気になるより、大人は大人で楽しく過ごそう」と割り切ることで、親御さん自身の精神的負担も軽くなります。

ケース② 家に親戚がやってくる場合

逆に、自宅に親戚が来るケースもあります。

「せっかく来てくれたんだから、顔くらい見せなさいよ」と言いたくなる気持ち、とてもよく分かります。

しかし、ここでも「無理強いしない」ことが鉄則です。お子さんにとって、自分の部屋は唯一の「安全基地」かもしれません。そこから無理やり引きずり出されて親戚の前に出されたら、「家の中にはどこにも安全な場所がない」と絶望し、さらに心を閉ざしてしまう恐れがあります。

親戚への伝え方

親戚には事前にこう伝えておきましょう。「今こういう状況だから、もしかしたら顔を合わせるのは難しいかもしれない」「部屋から出てこないかもしれないけど、そういう時期だからそっとしておいてね」

ハードルを下げておけば、もしお子さんがふらっと降りてきて顔を出した時に、「あら、元気そうじゃない」と自然に接することができるかもしれません。会えなかったとしても、それはお子さんが自分の心を守るために必要な選択だったのです。その選択を尊重してあげることが、親子の信頼関係を守り、将来的な回復につながっていきます。