「親自身」も“いい子”を演じていないか
ここまで、お子さんの対応についてお話ししてきましたが、実はもっと根本的な問題があります。それは、「親御さん自身が、ご自身の親(祖父母)に対して“いい子”を演じ続けていないか?」ということです。
不登校に悩む親御さんの多くは、非常に真面目で責任感が強く、ご自身も子どもの頃から「親の期待に応えるいい子」として生きてこられた方がたくさんいらっしゃいます(参考記事)。もしかすると、あなたとお母さん(お子さんから見た祖母)との関係において、ずっと「お母さんを悲しませないように」「お母さんに認められるように」と、自分の本音を押し殺して生きてきませんでしたか?
年末年始の実家への帰省は、そんな「親子の呪縛」が最も強く発動する場面です。「孫の顔を見せないと母が悲しむ」「ちゃんとした家庭を見せないと心配される」。そうやって、大人のあなたがお母さん(祖母)の顔色を伺い、無理をして「いい娘」を演じようとすればするほど、その重圧はドミノ倒しのように、あなたのお子さんへとのしかかります。
「お母さん(私)がおばあちゃんのために我慢しているんだから、あなたもちょっとくらい我慢してよ!」言葉にしなくても、そんな無意識の「犠牲の強要」が、お子さんの「行きたくない」という悲鳴を封じ込めてしまうのです。
この「我慢の連鎖」を断ち切れるのは、あなたしかいません。あなたが「親のために」ではなく「自分のために」行動を選べた時、初めてお子さんも「誰かのため」ではなく「自分の人生」を歩めるようになるのです。
「行かない」「短縮する」という選択肢
親御さんが「本当はどうしたいか」を一番に考えてみてください。「今年は疲れているから、家でゆっくりしたい」と思うなら、「今年は帰らない」という選択も立派な決断です。
あるいは、「3泊はしんどいけど、1泊なら行けるかな」「顔を見せるだけの半日滞在にしよう」と、滞在時間を短くするのも良いでしょう。「夫だけ行ってもらって、私と子どもは留守番」という形をとっているクライアントさんも実際にいらっしゃいます。
親御さんが「自分は無理しなくていいんだ」と自分を許し、自分の心を守ることができれば、お子さんに対しても「あなたも無理しなくていいよ」と心から思えるようになります。この「親の余裕」こそが、家庭の安心安全を作り、お子さんの回復を支える土台になるのです。


