成績を上げる原動力の「遊び」が学校で削られている
長いあいだ、教育の焦点は直接の指示をこなすことと宿題をすることに合わせられてきました。それが成功への近道と思われていたのです。友情や遊びは暗黙のうちに気晴らしのようなものと捉えられ、場合によっては学業の邪魔になるとさえ見なされてきました。
子どもが自由に遊べる時間はおおいに縮小し、1981年から1997年のあいだに4分の3になりました。学校では、休み時間や遊びの時間が削られ、子どもたちが平日に学校で友達づくりに専念できる時間が限られてしまいました。友情が、学校への積極的な関わりを促し、成績を上げる原動力になることは明らかなのに。
教育の専門家、ジョン・ハッティは、教育成果を左右する要因について、これまでで最大規模の総合的な研究をしました。2021年、ハッティは合計10万件を超える教育関係の研究を対象に、2100件のメタ分析をおこない、友達との遊びが学習に大きくポジティブな影響を与えることを示しました。
学業の失敗や挫折にも対応できる子に育つ
親友がそばにいるとネガティブな感情が減り、ストレスホルモンのレベルが低下し、自尊心が高まるのです。何か大きなストレスになる出来事があったあとに、支えになってくれる友人たちと話すと、ストレスホルモンのレベルが迅速にふだんどおりに戻ります。友情による保護効果のおかげでレジリエンスが育ち、子どもたちは社会的な挫折や学業での失敗に対処できるようになるのです。
思春期の子どもに関する研究で、ペアで作業をすると、ひとりで作業するよりも主体的ですばやい学びにつながり、作業の実行力も上がることがわかっています。そして学習パートナーとのあいだで友人としての関係が深まるほど、学びの質も上がります。
そばに友達がいると、子どもは新しい物事に自分から進んで挑戦するようになり、頭を使って考える難題にもどんどん取り組みます。一方、ひとりで勉強していると意欲が低くなることもあります。


