上流階級夫人となって漂泊はやめた

その後、ビスランドはイギリスへ渡り、しばらくルポルタージュを寄稿したりするのですが、ニューヨークから海を渡って求婚をしに来たウェットモアと結ばれます。結婚してからも仕事を続けてはいますが、キャリアウーマンというより裕福な上流階級の婦人の生活を送りました。

世界一周に出たエリザベス・ビスランド
世界一周に出たエリザベス・ビスランド(写真=ニューヨーク公共図書館アーカイブ/PD US/Wikimedia Commons

したがってビスランドもハーンと同じく、結婚生活の安定によって、旅を続ける必要がなくなってしまったのです。しかし彼女の自伝的な小説を読むと、満たされない心を抱いて漂泊を続けた若き日の様子が描かれています。しかも主人公の職業を旅回りの女優としているところも、はなはだ暗示的です。