「あなたはどうしたい」とだけ聞く

ではなぜ、主体的な人生を歩む人は、幸福になりやすいのでしょうか。

普川くみ子『10代の子どもの心の守りかた』(実務教育出版)
普川くみ子『10代の子どもの心の守りかた』(実務教育出版)

それは、「自分で決めたこと」には大きな価値があるからです。

人は本来、自分の人生を自分のために生きる存在です。だからこそ、自分の望む未来や生き方のために「いまどう行動するか」を自ら選ぶことで、人生に対する納得感や責任感が生まれるのです。これを心理学用語で“自己決定性”といいます。

この自己決定性は、「自分の人生を、自分の力で思うように歩んでいける」という自信や勇気につながります。自分で選んだ道だからこそ、成功のために努力できるし、もし失敗したとしても、「自分で選んだ道だから」と納得し、学びにつなげることができるのです。

親から見れば、「その選択は失敗するに決まっている」「そんな道を選ぶなんてありえない」と感じることもあるでしょう。でも、それはあくまで親の価値観にすぎません。そんな親の思いとは裏腹に、子ども自身は案外、幸せを感じつつその道を進んでいるかもしれません。ですから、ただ、「あなたはどうしたい?」とだけ、尋ねてあげてください。

そうすれば子どもは、人生のさまざまな場面で、「自分が幸せになるためにはどうすればいいか」を自分の頭で考えるようになります。やがて、生まれた選択肢の中から主体的に行動を選び取り、その結果を他人のせいにしない人になるはずです。