どうすれば働きたい女性にとって働きやすくできるか

ラウンダー事業を始めるにあたっては、どうすれば非正規雇用の女性にとってより働きやすくなるかを念頭に、ビジネスモデルを考えました。その結果、時給ではなく訪問単価制を採用することに決めました。

家庭で働く女性にとっていちばんの難題は、間違いなく時間の捻出です。

いくら条件がよくても、1日中拘束されるような仕事だと働ける人は限られてしまいます。しかし、訪問単価制なら、時間に縛られず、自分の生活スタイルに合わせて都合よくシフトを組むことが可能です。

たとえば、1週間に5軒分の仕事を請けた場合は、月曜日から金曜日まで毎日1軒ずつ訪問してもいいし、ある曜日にまとめて5軒回るというやり方もできます。「1軒いくら」の契約ですから、作業にかかった時間が30分でも1時間でも、報酬は変わりません。

仕事が終われば、今度はお客として、同じ店で夕食のおかずを買って帰れる点も、家事や育児で忙しい女性にとってはメリットだといえます。

スーパーマーケットの通路にカゴを持って立つ女性
写真=iStock.com/Adene Sanchez
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マニュアルと経験値で最高の売り場を実現

当社では、入店から退店までにやるべきことを順序立てて定めた、これぞベストプラクティスというキャスト用の「マニュアル」を用意しています。初めての人でもこれがあれば効率よく仕事ができる、きわめて実効性の高い指南書です。

ベースになっているのは、アサヒビール時代のスタッフさんの中から選んだ優秀な20人の働き方から抽出した「基本活動20」です。

ラウンダーに必要な働き方の要素を抜き出して整理していくと、当初その数は76項目になりました。その中から、どの店舗でも必ず実施可能な、売上との関連性がとくに強い20項目を選び出し、これを誰もが必ずやらなければならないラウンダーの「基本活動」とすることにしたのです。

社員が会議室で話し合って決めたものを、「これが正しいやり方です」と伝えても、しょせんは机上の空論です。その点、この基本活動は、どの項目も実際にスタッフさんが現場でやっていることなので、「できないのではなく、やる必要のある活動」と納得感があります。

「基本活動20」はスタッフさんたちの格好のマニュアルだといえるものでした。

書かれている項目を、入店から退店まで順番どおり正確にやっていけばいいのです。何度も繰り返していけばその動きが自分のものになってきて、楽にできるようになってきます。

これに修正を加えてさらに発展させたものが、現在のmitorizキャストのマニュアルになっています。