「褒めて育てる」だけでは依存関係に陥る

日頃から保護者が対応するときは、子どもに「どうなりたいのかな?」――「どうすればいいのかな?」――「何ができないのかな?」――「何を助けてもらいたいのかな?」と質問することで、子どもに考えさせるように促すことが求められます。これにより自分で考え、行動する習慣がついていくようになるのです。

2つめは、上からの評価ではなく、子どもが自己決定する自信を支える言葉がけです。保護者が子どもをほめるだけでは、「ほめられるからがんばろう」という、ほめられることが前提となった依存関係に発展してしまう可能性が高まります。そして、期待するいい結果を得られないと、その感覚や信頼関係は低下し、ほめられない自分は能力がないと感じるようになってしまいます。

子どもの行動について保護者がほめたり叱ったりするというのは、結果的に、保護者が賞罰を用いて子どもを評価しその行動をコントロールすることにつながります。その行動のよい・悪いの基準を理解させる段階で用いることは必要ですが、それ以降もこのやり方ばかりをずっと続けていくと、子どもは保護者の指示に従うスタイルが定着してしまうのです。

子どもの自己決定する力を育成するためには、保護者は上から評価するのではなく、保護者とは思いと感情を共有していることを子どもに実感させ、自己決定していく自信をつけていくのです。

“丁寧でうれしい”と伝え、ポジティブに評価する

例えば、子どもがしっかり行動できた場合は、ほめるのではなく、最後まで丁寧にやっているのを見て保護者もうれしい気持ちになったと、率直な気持ちを伝えるのです。そのような言葉で保護者から信頼されていることを実感できると、子どもが自己決定する際の自信となるのです。

笑顔で話をする親子
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そして、リフレーミングして自信を支えます。リフレーミングとは、マイナス面やネガティブなことをいつもとは違った枠組みや視点で、プラス面やポジティブなものとして捉える見方のことです。同じ現象を捉えるにしても、自信がないとどうしてもそのマイナス面を見がちで、プラス面を見落としてしまうのです。それをしっかり言ってあげるのです。

例えば、目標とした分の半分しかできていなかったとき、「まだ半分も残っている、大変だ」と落ち込んでいるとき、「半分できているから、あとちょっとがんばろう」と言葉がけして動機づけするという具合です。

さらに、加点主義で自信を支えましょう。子どもの取組みに対して保護者が期待を抱くと、期待しているレベルを満点として、期待にたりない部分をマイナスとして捉えがちになります。また、子どもが何かをやっているとき、大人はそれを見て大体はこのくらいはできるだろうと見積り、それを前提として、「あと○%できていない」と減点法で捉えがちになります。マイナスな点を見つけて指摘すると、子どもの自信を低下させてしまいます。それに対して、プラスの部分を見つけて指摘すると、子どもは自信をもてるようになります。