「余計なことはしないで」はNG
【自律的行動の発現を計画的に生かす】
幼児期によく見られる「ぼく・わたしがやる」という主張があります。例えば、できそうもないのに料理を盛りつけたい、掃除機を使いたい、スマホやタブレットを触りたい、というものです。保護者がやっているのを見て面白そうに感じ、やってみたくなるのです。しかし保護者が忙しいときにはわがままのように感じられ、「余計なことはしないで」と、禁止してしまうことが少なくありません。
これを強く禁止・否定してしまっては残念です。このような行動は子どもの自律的行動の発現と受け止め、時間的問題、環境的要因を踏まえて、どのようにやっていこうかと、子どもと一緒に考え、これから一緒にやっていく遊びにしていくのです。ご飯を食べて片付けが終わったら、「お料理ごっこ遊び」を一緒にしようねと納得させ、後から一緒に遊ぶという具合です。
この時期は、しっかりできるかどうかよりも、子どもに意欲を発揮させ、それを保護者がうまく演出して、「自分でできた」と子どもが満足感を実感できるようにするとよいのです。
“完璧に”やらせる必要はない
子どもの養育にビジョンをもつのはよいことです。しかし、何事も確実にやらせようという思いが強くなりすぎると、自然とかかわりが狭く過剰になっていきます。以下の①②③はよく見られる過剰な例です。
①子どもが失敗しないように、常に先回りしてやり方を説明したり、アドバイスしたり、チャレンジングな行動にはダメだしをすることが多い。子どもが自分の言うとおりにせず失敗すると、強く責めることも少なくない。
②子どもが何かに挑戦しようとするとき、うまくいくか心配になり、「ほんとうに大丈夫なの?」「心配ない?」と確認することが多かったり、「○○しないと失敗しちゃうよ」「そんなことで泣いていたら馬鹿にされるよ」と注意したりしがちになる。
③ご飯を食べきれない子どもに「あなたのためにせっかく作ったのに」と毎回悲しい顔をしたり、子どもがちょっとでもいやな顔をしたら「あなたのために言っているんだよ」とひどく残念な顔をしたりして、子どもの行動を修正しようとする。
①は恐れを感じさせてのコントロール、②は不安を感じさせてのコントロール、③は罪悪感を喚起してのコントロールです。いずれもよかれと思ってしがちなことですが、保護者のもつ期待が強く子どもに伝わりすぎると、結果的に無意識に子どもをコントロールしてしまうことになります。不安や緊張が強くなりすぎると、子どもは自分が感じ考えたとおりに行動することができなくなり、保護者の期待に応えることを優先するようになります。これでは自律性は形成されません。


