「早く食べなさい」より「ご飯食べてから一緒に遊ぼう」
保護者が子どもを心配していることは間違いないかもしれませんが、その背景には「子どもがうまくできないと自分が失望してしまう」という保護者自身の不安や、秘めて有している劣等感がありそうです。まずは、前述のようなコントロールする言葉がけ、否定的な言葉やネガティブな言葉は意識して減らすようにします。そして、なるべく前向きでポジティブな言葉を使います。子どもの行動や取り組み方を認めてあげる方向で、言葉がけしていくのです。
例えば、子どもがご飯の途中で近くにあったブロックをいじり始めたようなとき、「早く食べなさい」「ご飯のときは遊ばないの」と言うよりも、「ご飯を食べてからブロックで一緒に遊ぼうね」と言葉がけをするという具合です。
自律性を高めていくためには、子どもが自分の意思で取り組み、自分で考えて行動し、自分なりに成し遂げようとして試行錯誤しているのを、保護者は「待つ」ことが大切です。待てないで急がせてしまうと、子どもは十分に考えることができなくなります。待てないで保護者の言うとおりやらせては、そもそも自分で考えることをしなくなってしまうので、自律性は育ちにくくなってしまいます。
“可能性を引き出す接し方”が求められる
自己決定できるようになるとは、「自分はこのようにありたい」という価値観を確立し、それをもとに目標を定めて、自ら行うことです。
しかし、最初からそのようにできるわけではありません。最初は保護者からやらされる形の外発的な動機で取り組んでいたものが、徐々に内発的に自律的な動機で取り組めるようになっていくことが自己決定できるようになっていく、ということです。それは子どもが自分なりのアイデンティティを形成していくことと同義だと思います。
最終的に子どもの人生は、保護者の思いどおりになるものではないので、保護者は子どもの力を信じて、自己決定できるように、その可能性を引き出せるようなかかわりを意識していくことが求められるのです。小さい頃から、自己決定する力を育成していく言葉がけをすることが大事なのです。気をつけるポイントは3つです。
1つめは、自己決定できる力の育成を意識した言葉がけです。自己決定できるとは、価値観を確立し、それをもとに目標を定めて、自ら行うことです。これはカウンセリングの鉄則です。カウンセリングをするにあたって、相談者は「どうなりたいのか」がスタートになり、そのために、「どうすればいいのか」、それを実行していくうえで「何が妨げになっているのか」、カウンセラーには「何を援助してもらいたいのか」を明らかにして、面接をしていきます。これを応用するのです。


