周囲に合わせて変わることを求めすぎない

ここでみなさんに知っておいていただきたいのは、こういった発達障害の特性というのは、「多数派の人から見れば」それが少数派の人たちの特性として扱われてしまうという視点です。

そもそも「社会生活に支障をきたす」というのが診断基準であったりするため、どうしても、その社会生活というのは多数派の人たちに合うか合わないかという基準になってしまうのです。

「こだわり」は見方を変えれば、「ものごとに真剣に向き合う力」とも言えます。

大切なのは、それを無理に変えようとするのではなく、その子が安心できるかたちで社会とつながれる方法を探すことです。

ですから、まわりの大人はまずはそのことを理解して、「まわりに合わせて変わることを求めすぎない」という姿勢でいてくださいね。

母親に慰められる子供
写真=iStock.com/takasuu
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「学校がこわい」は単なるわがままではない

ASDの特性を持つ子どもは、なにが起こるかわからないシチュエーションをとてもこわがります。

なかには「今日はなにをするの?」「このあと、どうするの?」と頻繁に予定を確認したがる子もいます。先の見通しが立たないことが不安なのです。

こうした特性が強い子にとって、学校という場所はまさに予測できない世界と言えます。

学校は、予想外の出来事やイレギュラーなことが頻繁に起こる可能性が高い環境です。

毎日の授業の内容が異なるのはもちろん、先生がどんな指示を出すのか、同級生がどんな行動をとるのかを予測するのは難しいですよね。

休み時間には子どもたちの声や足音が響き渡り、なかには大声で騒いでいる子やとても活発で一見すると乱暴に見える子もいます。

ASDの子が「学校がこわい」と口にするのは単なるわがままではなく、こうした環境に対する不安のあらわれでもあるのです。

実際、「教室のガヤガヤした雰囲気自体が耐えられないから学校に行けない」と訴える子もいます。

その不安の根底には、「なにが起こるかわからない」という恐怖と、予測できないことに対するストレスがあります。

とくにASDの特性を持つ子にとって、学校というのは安心感を得るのが難しい場所であることがあります。