必要に応じて眼科での治療を検討

近視のメカニズムと進行抑制の対策についてお話しましたが、強調したいのは、生活改善だけでも一定の抑制効果が得られるものの、進み始めた近視の進行は待ってはくれないという現実です。必要に応じて、眼科で治療を受けることも大切です。

すでに近視の診断が出ている状態であれば、躊躇なく、定期的に視力をはかって度数が合った眼鏡をかけるようにしてほしいと思います。近視なのに眼鏡をかけない、かけていても度数の合わない眼鏡を使い続けていると、かえって近視が進む恐れがあるので注意してください。

また、近視治療は、いま新しい方法が次々と登場しています。ただし、子どもの近視治療はすべて自由診療で、保険適応外であり、自費での治療となります。1カ月数千円でできる治療もあれば、比較的高額の治療もあります。子どもの近視治療は「いつ始めるか」「どこまでやるか」を、それぞれのライフスタイルとリスクが交差する点で見極める必要があり、正解は存在しません。「治療を始める・始めない」を含め、その判断にはまず、眼科専門医に相談してほしいと思います。

迷ったときは、正しい情報源として日本近視学会のホームページも定期的に確認してくださいね。新しい知見や治療法などが紹介されています。