1日2時間程度の屋外活動もおすすめ
屋外で1日2時間程度、光を浴びる習慣も大切です。屋外で日光を浴びることで、眼球内でドーパミンが分泌され、眼軸の伸びを抑える効果があると考えられています。
「1日2時間の屋外活動」と聞くとハードルが高いように思えますが、木陰程度の1000ルクスの明るさの場所で、1日合計2時間を過ごせばいいのです。直射日光の浴びすぎは皮膚がんリスクが高まるため、いまはむしろ推奨されていません。たとえば「登下校の往復で40分ほど外を歩き、学校の昼休みに20分ほど木陰で外遊びをし、家のベランダで60分ほど宿題や読書をする」というのでもいいでしょう。1日2時間が難しい場合は、1日1時間以上を目指しましょう。
屋外活動が近視予防に有効な理由には、「屋外という広い空間で活動すること自体が近視抑制に効果がある」というもう一つの理由があります。空間が広いと、視線移動が自然に増えるのです。
じつは教室の広さも近視のなりやすさに関係しているとされ、床面積が広く、窓が大きく、黒板も大きい教室を利用する子どもほど、近視率が低い傾向があるという研究報告があります。中国ではガラスの天井の教室を採用し、近視の抑制に成功している学校もあるようです。
焦点距離を変え続けることも大切
近視は、遺伝的に東アジア諸国に多く、これまで中国や台湾、シンガポールなどを中心に、近視の進行を抑制する対策や治療法の研究開発がさかんに行われてきました。多くの企業が近視の進行抑制に注目した技術開発を行い、次世代機器も続々と立ち上がっています。例えば、ARゴーグルを遠視モードに切り替えて学習中も遠景像を結ばせる試作機などもすでに誕生しているようです。
というのも、オンライン授業や動画視聴が日常化した現代では、「近業時間」よりも「近業を連続で行うこと」が近視を加速させるというデータもあるのです。同じ2時間でも、教科書を読んだり、ホワイトボードを写したりと焦点をこまめに変える、かつての対面授業のほうが近視になりにくく、平板な画面を見続ける現代のオンライン授業のほうが近視リスクは高くなります。
一方、これまで眼に悪影響を与えるとされてきた「ブルーライト」は近視進行を抑える可能性が示唆されています。ですから、眼鏡のレンズをブルーライトカットレンズにしたり、スマホなどの画面にブルーライトカットフィルムを貼ったりする必要はありません。


