模試は「学習計画」と「得意・苦手の把握」のためにある

また、仮に結果が良くて上位クラスに入れたとしても、模試の結果と実際の学力に差があれば意味がありません。入塾前は「正しい学習習慣をつけたいんです」「勉強のやり方を身につけたいんです」という保護者の声は実に多いのですが、いったん塾に入ってしまうと、「○○君には負けられない」「後から塾に入ってきた○○さんに負けるなんて」といつの間にか周りの生徒との競争になってしまうのはあるあるです。目的を見失ってはなりません。

では、親はどういう姿勢で向き合うべきなのでしょうか。まず、模試の役割を2つに絞っておくと、地に足のついた対応ができると思います。

【①模試があることによって、学習計画が立てやすい】

模試は日程とともに範囲も公表されているはずです。「この日までに何をやれば良いのか?」と計画を立てられるのは大きなメリットです。ただし、苦手単元が多い回や学校行事で忙しい時期など、計画通りにできないことも想定しておくと良いでしょう。

【②得意単元と苦手単元の把握】

どこができていて、どこができていないかを把握するのが模試の意味です。あまりにも順位や偏差値を気にされる方には、英検や数検を例に説明することがあります。それらは基準点が取れれば他人の成績にかかわらず合格となります。模試自体を、入試本番に合格点を取るための情報の宝庫として捉えると良いでしょう。

試験を受ける小学生
写真=iStock.com/FangXiaNuo
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「本番で合格最低点を取れば良い」と割り切る

例えば、塾に途中入学した生徒が、それまでに出題されていた単元を確認するため、または模試に慣れていないために購入するためなど、狙いが明確であれば過去問購入を否定はしません。ただし、「合格する」という目的と「模試の成績を上げる」という手段を混同しないことが最も大切です。

“どんな手段を取っても良いから子どもに良い成績を取ってほしい”という焦りが生じることは理解できますが、方法によっては諸刃の剣になる可能性があります。成績向上に裏技は存在しません。(それが難しいのですが)結局はやるべきことをやるしかない、と割り切ることが成功の秘訣だと思います。

私が相談された際に伝えているのは、「親は管理監督者ではない、応援団長だ」というスタンスです。模試結果に敏感になって細かく口出しし始めると、お子さんは「やらされている」と感じます。必要なのは「やる気」を求めることではなく、勉強を習慣化する心がけです。親は「実際の入試で合格最低点を取れば良い」と割り切って焦らない、くらいの心構えでいいのです。

実際に私が過去に教えた生徒の中にも「親を喜ばせたい」「親から怒られたくない」という気持ちが強くなり、親の目を第一に気にしている子がいました。これでは前向きに取り組んでもらう姿勢につながりにくくなります。