「一部の成功例」や「極端な例」が溢れている
いま、中学受験はやや熱を帯びているように感じますが、SNSなどに情報が溢れているのです。たとえば以下のようなものです(以下は筆者がこれまで見聞きしたものをまとめたもの)。
「◯◯塾の最上位クラスじゃないと、○○中学への合格は難しい」
「小4の時の偏差値は、小6になっても大きく変わることはない」
「まぐれで難関中に入学できても、成績下位(深海魚と呼ぶそうです)で苦労するので、無理しない方が良い」
「親が綿密な学習計画を立ててあげるのは、当たり前のこと」
「習いごとをやっていては、中学受験なんて無理」
投稿者や発言している人は、中学受験真っ最中の方、すでに入学された方など混在しています。ネット上ではお子さんの個人情報を守るためもあり、実名投稿はほとんどないように見受けます。いずれも真偽不明の内容だったり、当てはまるのはその家庭だけで“よその家庭”には当てはまらなかったり……n数=1の意見も散見されるのが現状です。
塾の立場からすれば、こうした内容は、たとえ善意のものであっても、一部の成功例や極端な例を発信していると感じます。
“付け焼き刃”では合格が遠のいてしまう
SNSによっては、一度でも読んでしまうと「興味がある」と判断されて同じような投稿が次々に表示されることがあります。そのような情報ばかりに触れてしまうことで、「何か対策が必要なのか」という焦りにつながっているのではないかと考えています。
その不安を解消する行動の一つとして、「塾の模試過去問を買う」があるのではないでしょうか。これは一見、成績アップに効果的に見えても、結局は親主導の「やらされ学習」に陥りやすくなります。このような付け焼き刃的な勉強方法で結果が出れば、「次も直前で模試対策をすれば、何とかなるんだな」という悪い学習習慣がついてしまいかねません。
「とりあえず、試験に出そうなところだけを付け焼き刃でもいいから、やっておけば得点が取れるんでしょ」という姿勢は、全く意味がありません。合格が遠のくどころか、受験勉強が親子ともに「つらいだけのもの」になってしまうことすらあります。
本来、模試の狙いの一つは、「どこが出来ていないのか?」弱点を把握することです。長年の経験上、中学受験の模試の場合には平均点が5~6割ぐらいに設定されているところが多く、絶対に出来ないところがあるものなのです。復習を目的にせず、ただ点数をあげること自体が目的になっていては意味がありません。


