「成績の悪い友人」を馬鹿にしたら厳しく叱る
そのためには、親自身の見直しも必要です。今回のケースで言えば、SNSなどの情報を鵜呑みにしないことです。極端な事例ばかり見ていると、不安ばかり大きくなっていきます。疑問や不安を感じたら、まずは遠慮なくお通いの塾の講師か家庭教師などに相談、尋ねるほうが確実かもしれません。
そして、お子さんへの接し方にも工夫が必要になります。私は子どもの体調やメンタルを最優先に考えるべきだと考えていますが、「成績が良くない友人を馬鹿にするような言動は厳しく叱ってください」と伝えています。お子さんは親の価値観に影響されやすいからです。
親のスタンスを示しておけば、「偏差値をあげる」が目的になるのを防ぐだけでなく、塾友との人間関係の悪化も防げます。勉強ができる生徒が良くて、そうでない生徒はダメという一面的な見方を伝えてしまうのは、将来的にもおすすめできません。母親が叱った場合には父親がフォローに回るなど、親同士がチームで子どもに向き合うことも大切な要素です。
「スマホの画面」を見ているだけではわからない
ぜひ一度、保護者の皆様も模擬試験でどんな問題を解いているのか眺めてみる、時間が許せば試しに解いてみることをオススメします。「こんな難しいものをやっているのか?」という気づきを得るはずです。これがお子さんへの優しさにつながり、「こんな難しい問題、よくできたね!」と本心から言えるようになりますから、自然と子どもの笑顔とやる気につながっていくでしょう。
塾で教えていて感じることですが、実際のところ、大半のお子さんは真剣に模試を受けています。学習は「インプットとアウトプットの両方が大切だ」と言われますが、授業でインプットしたことを模試でアウトプットすることで学力がつくという効果を実感しています。特に知識の定着には大きな威力を発揮します。模試自体に意味はあると考えます。
「過去問を買ってでも成績をあげたい」という気持ちはお子さんの合格を思うがゆえかと思います。しかし、難関校に合格した○○さんの事例などは、その子にしか当てはまらない一つのパターンに過ぎません。深入りするほど、「同じ学校に合格した○○さんと比べてうちの子はこれができていないんです」「成績が上がった生徒と比べると、うちの子はまだまだで、どうしたら良いでしょうか」という不安や不満が、どんどん積みあがっていく可能性があります。
「大事なことは、スマホの画面ではなく、子どもの表情にある」
受験の主人公は親ではなく、あくまで子どもです。これが、中学受験、はては子どもと向きあうときの鉄則なのではないでしょうか。


