一方で、「英会話教室でとにかくネイティブスピーカーと話す」という学習方法は勧められない。基礎がなければ、高額な受講料は無駄になる。ただしインターネット電話「Skype」を使った格安スクールならば、腕試しのつもりで利用する価値はあるという。

「これまでの英会話教室はコストの面で勧められなかった。しかしネットを使った海外の英会話スクールには月額数千円程度と格安なものが数多くあります。とくに安いのはフィリピンのスクールです。英語には癖がありますが、癖のない英語なんてありません。たとえ通じなくても、身の程を知る勉強代としては安いものです」(森沢氏)

発音できない言葉は「聞き取り」もできない

竹岡塾主宰 駿台予備学校講師 
竹岡広信氏

竹岡さんは英語学習では「語彙の習得が最重要」と訴える。

「長く予備校で教えている経験からも、ほとんどの人は高校段階で英文解釈の基本を身につけています。それでも英語への苦手意識が抜けないのは、とにかく語彙が足りないから。極端にいえば、何かものを取ってほしいときには『pick up』と言えばいい。でも『pick up』が出てこなければ、どうしようもないね。『can』か『would』かと悩む前に、まず自分の語彙力を点検して、もし足りなければ覚えていく。語彙力があれば、何とでもなりますから」

単語を覚える要点としては、「発音」と「語源」を挙げる。

「発音できない音は、聞き取れません。自分の発音を正しく直さないかぎり、喋ることも聞くことも中途半端になってしまうわけです」