会食の席で、もっと仕事をしたいと思わせる

【TECHNIQUE】「いい店」を選び、最高の演出を!

このポイントは2つあります。

1つめは、お店の選択です。誰でもみんな、「この人はいい店を知っている」と思われたい。したがって接待する立場であれば、取引先の人が自分でデートや接待に使ったとき、「この店いいでしょう」と自慢できる店を選択するのです。

お店のリサーチには地道な努力が必要です。私の場合、師事していた作詞家の秋元康さんが最高の教科書でした。秋元さんは常に新しいお店を開拓しています。その知識を盗んでいました。

もう1つのポイントは演出です。会食を最高のもてなしの場と位置づけて、自分はリッツ・カールトンのホテルマンのように最高のもてなしができる人間であると演出するのです。

芸能界では演出ができる奴は人を動かすことができるという判断をされます。会食で無粋な仕事の話なんかしてもしょうがありません。そこで見られるのは「いかに自分を楽しませてくれるか」という演出の部分だけなのです。

たとえば、うんちくを語って会話が盛り上がるような料理を選んだり、あるいはシェフの人柄がいいお店を選んで会話を楽しんでもらう、といったことに気を配っていきます。

会食中は常に相手の先の行動を読み、至れり尽くせり感を与えましょう。飲み物がなくなりそうになったら「何を注文しましょうか」と声をかけるのは当たり前。お酒が進んでいれば、頼まれなくても「お水を1杯いただけますか」とウエーターに言うと「こいつ、気が利くな」と思われます。これをチェイサーテクニックといい、女の子はワーッと喜びます。

会食が終わった後は、こちら側が接待した場合、基本的に相手から連絡が来るのを待ちましょう。

「接待をしたからビジネスの話をさせてください」と言っても、うまくいきません。逆に、接待が「貸し」になっていることもわからない相手とは、ビジネスをする意味がないでしょう。