ビジネスパーソンは、どんな食生活を心がけるべきなのか。『老けない最強食』(文春新書)を書いたジャーナリストの笹井恵里子さんは「ビタミンCの豊富な果物を積極的に食べたほうがいい。特に朝に食べることが重要で、間違って夜に食べると逆効果になる恐れがある」という――。
フルーツ
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じつは「一日100mg」では足りないビタミンC

毎日果物を食べる習慣はあるだろうか。元気が出ない時、または気合いで乗り切りたい時、ビタミンが豊富な果物は心身を回復させる助けになる。もちろん「老けない作用」も、だ。

ビタミンは三大栄養素(炭水化物、脂質、タンパク質)の代謝を助け、糖質や脂質からエネルギーを生み出す酵素の働きを良くする。全部で13種類のビタミン(ビタミンA、C、D、E、K、8種類のビタミンB群)があるが、最もアンチエイジングに欠かせないのはビタミンC。

ビタミンCが不足すると、シミのもとになるメラニン色素の合成が進み、肌にシミやソバカスができやすくなったり、疲労感が強くなったり、体内の解毒作用もうまく働かない。

笹井恵里子『老けない最強食』(文春新書)
笹井恵里子『老けない最強食』(文春新書)

日本臨床栄養協会理事を務める管理栄養士の早川麻理子氏(名古屋経済大学准教授)は「こまめにしっかり摂ることが重要」と強調する。

「ビタミンCは細胞の酸化を防ぎ、体を構成する重要なタンパク質であるコラーゲンの合成を助け、紫外線で損傷した皮膚を修復します。疲労感を回復させ、免疫力を強化するなど多くの役割を担っていますが、通常ビタミンCは摂取から4時間ほどで体外に排出されてしまうのです。

さらに日焼けのような炎症が起きれば、あっという間に枯渇してしまいます。厚生労働省はビタミンCの摂取量として一日100mgを推奨していますが、それではとても足りないことが少なくありません」

「含有量が圧倒的」堂々の第1位は?

特に強いストレスを抱えていたり、運動している人や喫煙習慣があったりする人はビタミンCが一層消耗されやすい状態。だから果物で摂取したい。ビタミンCは加熱で損失してしまうが、果物なら生のまま食べられるから100%摂取できる。豊富に含まれる果物や、食するのに適した時間帯を紹介しよう。

「ビタミンCの王様がいちご、女王様がレモン」と、甲南大学名誉教授の田中修氏がたとえる。

「いちごなら8粒ほど食べれば、一日に必要といわれる100mgのビタミンCをほぼ摂取できます。そしていちごやレモンを上回るのが柿」

ビタミンCの含有量が多い果物を次項に挙げた。ビタミンCが豊富な果物の堂々第1位は、ゴールドキウイ。グリーンキウイのビタミンC含有量も100gあたり71mgとランキング2位だが、ゴールドキウイはその倍の140mgも含まれるのだ。

ただしグリーンキウイのほうが食物繊維が豊富だから、コレステロールや血糖値コントロールの効果が高い。また腸内環境を整える働きも強いだろう。ランキング3位の柿は、前回の〈3位はホウレン草、2位は春菊、1位は…同じ緑色でも栄養素がケタ違い「老けない最強野菜」の名前〉でも紹介したβカロテンが豊富。ただし、糖分が多いため糖尿病の人などは食べすぎに注意しよう。