ゆずの仲間「ジャバラ」は花粉症に効果アリ

柑橘系のデコポン、夏みかん、はっさく、グレープフルーツもクエン酸が多く、疲労回復に働く。またこの時期にお勧めなのが、「ジャバラ」という果実。ゆずやかぼすの仲間であるジャバラは和歌山県北山村が原産で、花粉症の症状緩和に効果があるといわれている。

岐阜大学の調査によると、花粉症の症状がある男女15人に、ジャバラ果汁5ミリリットルを朝、夕2回、2~4週間にわたって摂取してもらったところ症状が改善されたと報告されている。

「ジャバラに含まれているナリルチンという成分がポリフェノールの一種で、抗炎症作用があるのです。ナリルチンはヒスタミンの分泌を抑制し、アレルギー症状を緩和するようです。

今が旬の伊予柑、4~5月が旬の日本のグレープフルーツなど多くの柑橘類に含まれますが、群を抜いて多いのがジャバラ。特に皮に多く含まれるので、皮ごとの摂取がお勧めです。皮を刻んでサラダに加える、お刺身を食べる際の醤油や、紅茶に皮をすって入れるなどするといいでしょう」(望月氏)

沖縄県産として知られる柑橘類「シークワーサー」に豊富なヘスペリジンやノビレチンも花粉症の症状を抑える。ヘスペリジンはほかに青みかんやレモンなどの柑橘類、ノビレチンはぽんかんやカボスに含まれる。つまりは柑橘類は全般的に花粉症の症状緩和が期待できるということだ。

かんきつ系の果物
写真=iStock.com/IgorDutina
※写真はイメージです

不飽和脂肪酸が摂れる唯一の果物は

柑橘類といえば、温州みかんは“肝臓の疲労”に効果があることが、農林水産省所管の研究機関「農研機構」の研究でわかっている。

「その研究は、毎日1本の大瓶ビールを飲んでいても、一日に2~3個の温州みかんを食べていると、肝機能の指標であるγ-GTP値が正常値に保たれるというものです。これはみかんに含まれているオレンジ色の色素のもと、β-クリプトキサンチン(抗酸化物質カロテノイドの一種)の効果です」(田中氏)

ちなみに、似たような色のビワも抗酸化物質のカロテンやβ-クリプトキサンチンが多く、老化を防止し、疲労を回復して視力を保つという。

また格段にビタミンCが多いわけではないが、約20種類ものビタミンとミネラルが含まれる「アボカド」も若返りには欠かせない。なんと「世界一栄養価の高い果物」としてギネスブックにも認定されている。

「糖質や脂質の代謝を助ける水溶性ビタミンのナイアシンやビタミンB群を多く含むため、新陳代謝を促進し、肌の健康に役立ちます。若返りビタミンといわれるビタミンEも豊富で、骨や歯、筋肉の発達を助けるんです。青魚に多い不飽和脂肪酸を含む唯一の果物でもあり、血管にも良い効果があります」(望月氏)