「小沢さんは政治的に死んだも同然だったが、40年間連れ添ってきた奥さんに三行半を突きつけられ、本当に政治家として終わりましたね」

そう語るのは、民主党の小沢一郎元代表の「政治とカネ」の問題を国会で追及してきた西田昌司自民党参院議員だ。

ジャーナリストの松田賢弥氏が週刊文春(6月21日号)でスッパ抜いた「小沢一郎 妻からの『離縁状』」は政界に大きな波紋を投げかけた。

松田氏は、和子夫人が支援者に送った「手紙」を公開。小沢氏の愛人と隠し子のことや、昨年の福島第一原発事故後、小沢氏が放射能パニックに陥り、「旅行カバンを持ってどこかに逃げ出した」ことなどが克明に記され、「こんな男を国政に送る手伝いをしてきたことを深く恥じ」離婚した、と記されていた。

「小沢さんは自らの裁判で“私は天下国家のことしか頭にない”と証言した。しかし手紙を読むと、実は天下国家ではなく“金と女と政治欲”しか頭にないことが改めてわかった。小沢神話について、私は虚像にすぎないと言ってきたが、私の想像以上に実態はひどかった」(西田氏)

週刊文春の報道後、小沢氏周辺では「この問題については腫れ物に触れるようにして言及しないようにしているものの、放射能が怖くて逃げた、というクダリは衝撃的で、ダメージの大きさを測りかねている」(小沢グループ議員)という。

もっとも、小沢氏が夫人と“家庭内別居”状態であることは、民主党が野党だった3年前には知る人ぞ知る話だった。すでに小沢氏と親しい民主党幹部が、周囲に漏らしていたのだ。

世田谷の小沢邸の敷地内には、小沢名義の母屋のほかに和子夫人名義の建物が2つあり、和子さんは母屋に住まず、3人の男の子どものうち次男とここで別居していた。3人の子どもは今回、和子さん側についているという。

この和子さん名義の不動産に対し、小沢氏は自分の政治団体「陸山会」などが借り上げるという名目で、毎月344万円の家賃を払ってきた。

「これについて小沢氏はマスコミから“夫人を隠れ蓑に政治資金を自分に還流させているのではないか”と批判を浴びていたが、今回の騒動を見ると、家賃は事実上、和子さんへの手切れ金だったのかもしれない」(マスコミ関係者)

小沢氏は瀬戸際に追い詰められた。

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