テストでは何点を取るのが望ましいのか。現役東大生の布施川天馬さんは「テストの目的は実力を判定すること。だから100点を連発できるテストを受けているのは、かなりまずいと考えたほうがいい」という――。
筆記解答用紙
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テストの目的は「いい点を取ること」なのか

みなさんは、テストで100点を取ったことはあるでしょうか。『ドラえもん』のようなフィクションの中ならいざ知らず、意外と現実で目にする機会は少ないのではないでしょうか。

かくいう僕自身も、「テストで100点をとる」なんてほとんどありませんでした。小学生の頃はいざ知らず、中学生以降になると勉強も難しくなってきます。100点なんて夢のまた夢といったありさまでした。

では、「100点のテスト」は、本当に価値があるのでしょうか。むかしの僕はテストが返ってくると「いい点かどうか」で一喜一憂していました。もちろん返ってきた答案が100点だったなら、狂喜乱舞していたことでしょう。

ですが、いまの僕からすれば、そこまで喜ぶべきことではないように思えます。むしろ、「テストで100点を連発する」ような状況があったなら、かなりまずいのではないかと思うのです。

それは、テストの目的は「いい点を取ること」ではないからです。ここの目的意識をはき違えてしまうと、知らず知らずのうちにさまざまな大事なことを失ってしまうかもしれません。

今回は「100点のテスト」に隠された目的意識の必要性についてお伝えします。

「目的意識を持っているか」が大きな差異を生む

どうして、たかがテストを受けるのにも目的意識を持たなくてはいけないのでしょうか。それは、「いま自分は何のためにこれを行っているのか」がハッキリしているのかどうかで、とるべき行動や下すべき判断の方向性が大きく変わってくるからです。

この方向性の違いが、後々大きな差異を生みます。計画段階ならともかく、実際に実行に移す段階として、目の前の一つひとつの仕事をこなすときには、ついつい「その仕事をこなすこと」それ自体が目的になってしまいがちです。

そうではなくて、具体的かつ細かい仕事をこなすときにこそ「自分が持っている最終的な目的」を意識しなくてはならないのです。