インバウンドは激減しているが必ず回復する

日本政府観光局(JNTO)の発表によれば、2019年の訪日外国人客数の累計は3188万2000人。過去最多だった18年を69万人(2.2%増)上回って最多記録を更新した。

インバウンド需要は2011年に東日本大震災の影響で減ったが、その後に大成長へ。
インバウンド需要は2011年に東日本大震災の影響で減ったが、その後に大成長へ。

訪日インバウンドは東日本大震災の翌年から前年比20%を超える勢いで伸び続け、15年に前年比47.1%増のピークを迎えた。以降、徐々に伸び率は下がり続けて、18年は前年比8.7%増と1桁台に。19年がさらに微増に終わったのは、日韓関係の冷え込みで韓国からの客数が減少したことも響いたが、年間3000万人を超える爆発的なインバウンドブームが一息ついたという側面もあるだろう。

それでも今や国別総数でトップの中国からの訪日客は、伸び続けて年間1000万人に迫る勢い(約959万人)だし、東京オリンピックもある。ということで、20年もインバウンドの拡大が見込まれていた。そこに降って湧いたのが、新型コロナウイルスによるパンデミックと東京オリンピックの延期である。

JNTOの発表によれば、20年2月の訪日外国人旅行者数は約108万人で前年同月比の58.3%減。海外への団体旅行を禁止した中国からの訪日客は、実に87.9%の大幅減となった。