国会での質問時間が、法案づくりに参加せず、内容を熟知せず、賛否を決めていない野党議員に多く割かれるのは当然のことなのだ。

自民党も野党側の質問時間を増やすように求めていた

質問時間の配分は、長い間、野党優先が続いていると書いたが、今の「与党2割、野党8割」という配分になったのは2009年、民主党政権が誕生してからのことだ。その前の麻生政権の時まではおおむね「与党4割野党6割」だった。

この変化は、「政府と与党は一体」という立場から、民主党が自発的に与党の質問時間を自民党を含む野党側に譲ったものだ。当時、自民党も野党側の質問時間を増やすように求めていた。今、自民党が議席数に基づいて配分を変えようとするのは、野党時代の主張と矛盾することになる。

安倍首相の「議席配分にあわせて質問時間を見直す」という理屈には道理がない。メディアはこの事実について、厳しく追及するべきだろう。

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