【その5】収納の「7割」までモノを捨てる

収納の7割とは「管理できる量」のこと。「収納の7割分しかモノがなければ、小さなお子さんでもお年寄りでも、必要なモノをすぐに探し出すことができます。それだけ管理がしやすいということです」と石阪さん。「片づけでよくあるのは、収納スペースいっぱいにモノを入れてしまうパターン。その後使い続けるうちに、空いたスペースにモノを入れ……がパズルのようになってしまい、また散らかってしまいます」

では、選別基準はどうすればいいのだろうか? 「いつか使おうと思っているモノと、本当に使うモノを分けてみてください。あとは誰かからもらったモノと、私が本当に好きなモノ。前者は捨てて、後者だけとっておきましょう。あと、私物は持ち帰る。前任者が残したモノは捨てる。与えられたスペースの7割で収まるように調整してみてください」(石阪さん)。大きなモノから捨てていくこと、ロッカーや引き出しの中などのバックヤードから片づけていくこともコツ。

収納の7割まで減らせば、あとはモノの置き場所を決めるだけだ。置き場所が決まれば、また散らかっても5分あればリセットできるようになる。リセットした状態で帰れば、次の日、気持ちよく仕事がスタートできるだろう。

「毎日、帰る前に机の上に何もモノを置かない状態にしましょう。私は、朝出社したら、その日使う資料を机の上の薄い引き出しに入れて、その中から取り出して作業していました」

ここで講談社の編集B氏からもアドバイスが。「収納スペースの3割を空けて、そこをテンポラリーにするといいですよ。僕の場合は大きな引き出しを一つ丸々空けてあって、取りかかり中のものなどはそこにとりあえずしまっておいています」

【その6】大事なモノを捨てる必要はない

編集Aの悩みのタネが大量の本。現在取りかかっている仕事に必要な本もあれば、出版社からの献本もある。今は使わなくても、いつか使うと思うと捨てられないと悩んでいる。

「仕事に必要なモノは捨てる必要はありません。それを置くためのスペースを作りましょう」と石阪さん。本が大事なら、机の上の一等地に本を置く場所をつくり、見えるところにキレイに並べること。本棚を活用してもいい。

【その7】モノはモノ。魂を乗せない

オフィスの片づけの際、意外と困るのが「誰かからもらったモノ」だ。捨てるに捨てられず、場所を取ってしまうことがある。しかし、気にすることはない。不要なモノはスパッと捨ててしまおう。

「所有権が移転したら自分のもの。捨てるのは自分次第です。あげた人だって覚えてないですよ」(石阪さん)