やった、さすが、じいさん!

 

ん?
でも、人口が減って、空き家が増えているのに
じいさんいつまでも貸家を建てまくれるのかな?
じいさんの景気が悪くなると、オレも困るんだけど。

 

あほたれ~!!

 

わ、スミヤン!

 

いまの「貸家バブル」が続くわけないだろうが!!

 

え? いまって「貸家バブル」なの?

 

いま、貸家の新築が増えている。
このグラフを見てみろ。

 
出所:国土交通省「新築着工統計」

あ、ホントだ! 
貸家だけぐーんと伸びてる!

 

2016年の貸家の新築は前年比10.5%(41万8543戸)で5年連続の増加だ。
相続税を節税したい新米大家が貸家を建てているからな。
しかも、いまならマイナス金利政策のあおりで銀行から資金を借りやすい。

 

でも、明らかにおかしいじゃん。
そのうち空室が増えまくって、悲惨なことになるって大人ならわかるだろうよ。

 

バブルの最中には、バブルだと気づかない。
そこが恐ろしいところよ。
たとえ気づいたとしても、そこから抜けるのは難しい。

 

なんで?

 

なぜなら、バブルの最中は、みんながハッピーな状態だからだ。
例えばいまは、建設会社と銀行は儲かってるし、
大家も低金利でローンを借りられて、相続税も安くなる。
借り手も新しいアパートに入居できる。

すでに供給過剰なのだから
大家が大損するのは目に見えているのに
現実を見ることができないのじゃ。

 

30年前のバブルで痛い目にあったのに、また繰り返すのか……。

 

バブルを止める手段がひとつだけある。

 

(バブルを止めたら、じいさんの景気も悪くなって、オレも困るんだけどね……)

 

バブルを止められるのは、銀行だけじゃ。
おまえ、銀行員の気持ちになってみろ。

 

え? オレが銀行員?

 

銀行員はとにかく貸出を増やせば増やすほど上司に褒められる。
バブルがはじけて貸出が焦げついても、
銀行員は転勤が多いから、そのときは別の支店に異動している。

 

貸した責任が問われないのか!

 

貸出は、係員→係長→課長→副支店長→支店長という流れの中で
相談して決めているから、貸出が焦げついても
実際は誰が悪かったのか、よくわからない。
1980年代のバブルも、銀行が金を貸しまくったのが一番の原因だ。

 

わかった!
じゃあ「貸した金が焦げついたら、
別の支店に転勤したあとでも貸した人間が責任を取る」
という規則を作ればいいんだ。
そしたら、簡単に融資しようとしなくなるよね。

 

バブルかどうかは、その最中には誰にもわからないから怖い!
バブルが崩壊して、じいさんの会社の業績が下がるとオレの売上にも大きく響く。
でも、大家はもっと悲惨だな。
オレの顧客が貸家を建てようとしていたら、考え直すように教えてあげようかな。

 
監修 塚崎公義
久留米大学商学部教授。1981年、東京大学法学部卒、日本興業銀行(現みずほ銀行)入行。経済分析、経済予測などに従事し、2005年に退職して久留米大学へ。『なんだ、そうだったのか! 経済入門』など著書多数。
(監修=塚崎公義(久留米大学教授) 作画=室木おすし [第12回テーマ=バブル])
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