ところで、新見氏は現在、体重68キロだが、10年前は92キロだった。

「夜勤や手術などの後、若い人たちと毎晩飲み食い。締めはお決まりのラーメンです。深夜の炭水化物は最高にうまい(苦笑)。その結果、学生時代に比べ体重が20キロも増えた。当時はかなり体が重かったし、思考力もいまより低かったと思います」

それが、食生活と運動習慣が定着して減量に成功した。

以前より頭はスッキリ、体もキレが出たという。

「昼を食べるのなら、毒と思って主食を食べるか、主食を抜いて温かい野菜や、豆腐、納豆、魚、鶏だけで済ませるかです。牛や豚の肉は脂が多いので、毎日食べるなら、魚か鶏のほうがいいですね。豆腐と納豆は脂が一番少ないので、豆腐に納豆をかけて食べることもあります。食物繊維を摂るために野菜は摂ったほうがいいですが、体が冷えている人、胃腸が弱い人などはサラダよりは温野菜を摂りましょう」

ところで、昼食後は眠気に襲われ、仕事の効率が落ちることがある。

「どうしても眠いときは、ウトウトしてもいいと思う。昼寝は体をリフレッシュさせ、気分をよくし、生産性を高めることもある。ただし、15分くらい。人の睡眠の周期は90分。30分以上経過すると、その周期に完全に入ってしまいますから」

昼寝から起きたときに温かいコーヒーやお茶を飲むと、目覚めやすい。楽な体勢で眠ればよいという。

予防医学研究者 医学博士 石川善樹
1981年生まれ。東京大学医学部を経て、ハーバード大学大学院修了。企業・組織の健康づくり調査・研究などを行うCampus for Hおよび、がん検診の受診率をあげる、キャンサースキャンの共同創業者。近著に『疲れない脳をつくる生活習慣―働く人のためのマインドフルネス講座。
 
帝京大学医学部 外科准教授 新見正則
1959年生まれ。慶應義塾大学医学部卒業後、オックスフォード大学大学院に留学、98年博士課程修了。2002年より現職。医学博士。漢方も使える臨床医、移植免疫の研究者でもあり、13年イグ ノーベル賞受賞。著書に『3秒でわかる漢方ルール』『長生きしたけりゃデブがいい』ほか多数。
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