2016年2月22日(月)

取引先の値下げ要求を退け、納得させるには

イキイキ働くための全課題

PRESIDENT 2013年1月14日号

プラクティカル・ビジネス・コーチング マネージャー大久保政彦 久保田正志=構成 澁谷高晴=撮影
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営業の現場で、値下げを迫られるケースはたいへん多い。とくにリーマンショック以降は深刻だ。自動車販売のケースだと「競合に5万円差で負けた」という話を聞くようになった。200万円の車を売っているのに、わずか数万円の差で負けてしまうのだから理不尽である。しかし、厳しくいえば、それは5万円の差を超えるだけの価値を感じてもらえなかった結果である。

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値上げ交渉をしても2割は値下げを呑まされている

我々の初期のクライアントで、ホテルの結婚式のプランニングを担当するブライダル・コーディネーターは、挙式後のお客様の満足度が非常に高かった。その理由は「式を安くあげてくれたから」ではない。

やりたいことを優先していくと、どうしても挙式費用は高くなっていく。そのときこの人は「予算を高くしても、なんとかする方法はあります」と説いて、お客様の希望を実現しようと努力するのだ。

たとえば、招待する親族を何人か増やせば、ご祝儀の総額は増えるはずだ。そうやってお客様と一緒になって頭を悩まし、予算の壁をクリアして、本当にお客様がやりたかったことを実現させてあげる。その結果、挙式後のお客様の満足度が大きく高まるのである。

トップセールスの多くは、同じようにお客様の予算の壁を突破する方法をあれこれ考え、提案する。たとえば「毎日のタバコ代を浮かせば、本当に欲しい車が手に入るんですよ」といったトークは、とくに奥さんに受けがいい。「あなた、タバコをやめるのなら、その車を買ってもいいわよ」とOKが出たりする。

当社を担当しているコピー機会社の営業マンは優秀である。ちょうど社内で「コピー機にこんな機能があったら便利なのに」と話しているときに、タイミングよく、その機能がついた新機種を勧めにくるのだ。そのため何度かリース契約を見直すことになり、月々のリース料は当初の倍ぐらいに増えてしまった。

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