現在、農家と障がい者はそれぞれ深刻な悩みを抱えている。農家のほうは、高齢化や担い手不足といった悩み。障がい者のほうは、月額賃金(工賃)が全国平均で1万円台と低く、自立できるレベルの収入を得られないという悩みだ。こうした両者の悩みを一挙に解決できる可能性があるのが「農福連携」という新しい取り組みだ。主な形態としては、(1)障がい者施設が農作業を受託する、(2)障がい者自身が農家などに雇用されて働く、の2つがある。これは、担当官庁である厚生労働省と農林水産省も注目しているようだ。

日本の農業は高齢化が進む。(AFLO=写真)

ただ、農家側には、「障がい者に農業を任せても大丈夫か」という不安があるので、これを払拭する啓蒙活動がポイントになる。農福連携に詳しく、その普及を唱えるJA共済総合研究所主任研究員の濱田健司氏は、「まずは現場を見ること。実際に(障がい者が)作業をしている現場に農家の方が行くと、『こんなにできるんだ!』と驚かれる」と話す。また、農家が障がい者施設に農作業の委託を検討するとき、「(障がい者に)どうやって教えたらいいのかわからない」という不安も多い。だがこれも、農家がまず施設のスタッフにやり方を伝え、スタッフが障がい者へ教えるといった方法を取れば解決できる。農福連携は日本の農業と障がい者雇用の打開策になるか。