写真を拡大
テランス・ブリトン先生 
(黒板写真=PIXTA)

私のために2回目のレッスンを担当してくれたのは、英国出身のテランス・ブリトン先生。教室では「テリー先生」と呼ばれている。見るからに優しそうなルックスなうえに、マンチェスター大学で物理学を専攻したという知的な雰囲気を漂わせている。きっと教室の女の子たちに人気があるんでしょうね、テリー先生! 今日は分数を英語でどういうのか教えてください。

テリー先生が黒板に書き出した分数の問題だが、初っ端から行き詰まってしまった。「1」と「横棒」と「2」で成り立っているから、そのまま英語にして「One bar two」かな。あてずっぽうでいうと、テリー先生は「違います」と一言。そして「One half」と正しい答えを教えてくれた。

でも、「3分の1」から先もまた難問続きである。「One three」「One four」……かな。冷や汗を額に浮かべながら困った顔のオジサン編集者を見かねたのか、テリー先生は「One third」「One fourth」「One fifth」「One sixth」「One seventh」と答えをいってくれた。そうか、3から上は「序数」を使っていえばいいんですね。「でも4分の1については『One quarter』といういい方もありますよ」とテリー先生。

そして「2分の2」のように分子が複数になると、それに合わせて分母の序数が複数形になって「Two halves」「Three quarters」「Four fifths」となるそうだ。「1つのピザを2等分したものが、目の前に2つあることを頭のなかに思い浮かべてもらえたら、複数形にすることがよく理解できるでしょう」とテリー先生は話す。

中学校から高校まで6年間も英語を習っていたのに、こうしたことも知らなかったなんて、我ながら情けない。でも、どうしてマリーインターナショナルスクールでは、算数を使って英語を教えているのだろう。長年にわたってインターナショナルスクールに勤めていた経験のある代表取締役の川崎美智子さんは次のように語る。

「日本人の子どもたちに海外の物語を英語で読み聞かせても、どうしても理解できない部分が残ります。育った文化や歴史が違うので、仕方がないのです。しかし、『1+1=2』は世界のどこに行っても変わりません。だから子どもたちはすぐに理解できて、実際に話すことで自信がついてきます」

また、同校では算数だけでなく、理科をつかっても英語を教えており、川崎にある桐光学園「寺尾みどり幼稚園」の年長組では同校のカリキュラムによる英会話のレッスンを行っている。11月24日には熊本県の小野泰輔副知事が、教育現場での活用の可能性を探ろうと同校の視察に訪れた。子どもだけの教材にしておくなんてもったいない気がしてきたぞ。