また、夫が金持ちだったり、実家が資産家で「ただお金が使えるだけの女性」もたくさんいます。彼女たちはあまり自分に自信がないものですから、見た目がよくて異論を挟まず、ただ「従属」するだけの男を選びたがります。男のほうも飯を食わせてくれて小遣いがもらえればそれでいい。適当に会って適当に小遣いをもらって適当にセックスをする。言うなればツバメです。

この手の男女関係は今に始まったことではありません。昔からよくある話ですし、世の中が変わっても、変わらずに存続しています。インターネットの時代になって、その存在が顕在化してきただけの話なのです。

例えば20年前と比べてみると、現在は明らかに女性管理職が増えています。ハイレンジな女性のような男の囲い方はしなくても、女性が「従う男」を欲しがる傾向は強くなっているように思えます。部下を引き連れて飯に行き、その中から手足となって動く腹心の部下を選ぼうというメンタリティは、上昇志向の強い女ほど強くなる傾向が見られます。周囲を腹心で固めておくと安心できるし気分がいい。何より仕事の効率もよくなります。それは男の管理職でも同じことですね。

「権力志向の女」が帰宅した瞬間にスイッチが切り替わり、古風な「夫に従う女」に変わるという幻想があります。物語としては面白いですが、実際はどうでしょう。外でバリキャリの女性が、家では一転してカワイイ女になる。男からすれば理想かもしれませんが、維持できる期間はせいぜい3年がいいところでしょう。男性のほうが社会的地位が高く、稼ぎもいいのであれば問題ありませんが、それが逆転すると話はヤヤコシクなります。徐々に夫がバカに見えてきてしまいます。

もっとも最近の若い男にはステージの違いが気にならず、稼げるほうが稼げばいいと割り切ってすすんで専業主夫になる人もいます。稼げる女についていきたいという若い男が増えているようです。世の中いろいろです。

覆面コラムニスト 
フェルディナント・ヤマグチ

本業は半導体のマーケットアナリスト。「日経ビジネスオンライン」で自動車評論「走りながら考える」連載中。著書に『恋愛は投資である』(扶桑社)ほか多数。
(構成=山本信幸 写真=Getty Images)
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