「私たちは周りの環境と切り離されつつある」

この事件を報じたCNNニュースは、「乗客の中には犯人とわずか60~90センチしか離れていない人もいた。いま私たちは周りの環境と完全に切り離されつつある」という捜査官の感慨を紹介していた。

情報セキュリティ会社、デジタルアーツが2014年2月、全国の10~18歳の男女600人余と18歳以下の子どもを持つ保護者やはり600人余を対象に行った調査結果をオンライで公表している(http://www.daj.jp/company/release/data/2014/031002_reference.pdf)。それによると、未成年者の1日のスマートフォン使用時間は平均で小学生男子1.6時間、同女子1.4時間、中学生は男女とも1.8時間、高校生男子4.3時間、高校生女子6.4時間となっている。どのようにサンプルをとったのか不明だし、たとえば女子高生のサンプル数は100名程度と少ないけれど、それにしても6時間以上もスマートフォンに接しているのは驚きである。1日は24時間、睡眠時間平均8時間として、起きている16時間のうち3分の1以上、スマートフォンをいじっている。彼女たちのサイバー空間滞在時間はきわめて長い。

これは異常と言っていいだろう。現実世界にしっかりと軸足を置く。これがサイバーリテラシー・プリンシプル(1)である。

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