より豊かで快適なIT生活を送る方法

私は2002年以来、IT社会を生きるためのリテラシー(基本素養)として「サイバーリテラシー」を提唱してきました。現代社会をインターネット上に成立したサイバー空間と、物理的な環境である現実世界が相互交流する姿としてとらえ、そこで私たちはどう生きるかという、いわば処世訓(規範)を、小さな社会的合意として積み重ねていきたいと考えています。これが私の言う「情報倫理」です。そうすることで、より豊かで快適なIT生活を送れるのではないでしょうか。

サイバーリテラシーについての基本的考えは、『サイバーリテラシー概論』、『総メディア社会とジャーナリズム』、『情報文化論ノート』(いずれも知泉書簡)の「サイバーリテラシー三部作」やサイバーリテラシー研究所のウエブ(www.cyber-literacy.com)を参照してください。

本連載では、ビジネスマンを読者と想定して、いくつかのプリンシプル(指針)を記していきます。みんなが留意し、それを守るようにすればいいな、という程度のものです。なるべく具体的な事実を拾いながら話を進めていきますが、みなさんの会社、地域などでこういうことが起こっているというご指摘やご意見、あるいは工夫などをお寄せいただくと、より充実した連載になると思います。ご協力をお願いします。