――「i3」が500万円前後、特に「i8」は2000万円近くもする超高級車です。

【ケルナー】「i3」「i8」にしても、一番適した価格だと思っていて、価格を下げるつもりは全くありません。一度でも試乗いただければ、このクルマには十分、値段の価値があると思っていただけると確信しているからです。

――日本のメーカーは、販売台数を重視し、市場に応じたスペック、価格にする場合も多く、BMWの戦略とは大きな違いがあります。

【ケルナー】他社の戦略についてコメントする立場ではありませんが、BMWの歴史そのものが、最初から最後まで優れたプレミアム製品とサービスを提供してきた歴史と言えます。この「i3」「i8」に限らず、私たちの戦略はプレミアムセグメントでナンバーワンであり続けることなのです。付け加えれば、台数と価値はお互いに相矛盾するとは思いません。私たちはまずビジョンとして、将来どのような方向にいきたいのかを見定めて、それから優先順位を設定します。それは「FUN・TO・DRIVE」(駆け抜ける歓び)というBMWの歴史であり伝統ある価値観を忠実に守り、提供し続けることによって、その結果として台数はついてくるものだと思っています。私たちの一番高いプライオリティは台数でなく、ブランド力と収益性なのです。

BMW部長 マキシミリアン・ケルナー
1961年、ドイツ・ミュンヘン生まれ。85年ミュンヘンのルードウィッヒ・マキシミリアン大学商学部卒。87年、同大学より経済学博士号を取得。86年BMWに入社し、アジア、欧州各国で、マーケティング、財務の責任者などを歴任し、2012年より現職。
(福田俊之=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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