Q.会社員のDさん(48歳)は、妻と子ども2人の4人暮らし。マイホームは買わない主義なので、その分も含めると老後資金は人より多めに用意しなければと考えている。保有資産は1000万円ほどあったが、値動きがわかりやすいことから購入した国内株インデックスファンドがリーマンショックで約半額に目減りしてしまった。復活をめざし、今度のボーナスから50万円を捻出し、運用を再開する予定だ。
【運用資金】300万円【保有資産】300万円(定期預金)【住居】賃貸
【家族構成】[夫]48歳 会社員 年収600万円(額面)[妻]45歳 専業主婦
[長男]19歳[長女]16歳

自分はどの程度のリスクに耐えうるか

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資産運用

資産運用においては、それまでの投資経験も加味する必要がある。経験が乏しいと大きく値動きしたときに、冷静な判断ができなくなってしまう。自分がどの程度のリスクに耐えられるかをよく考え、資産配分を考えたい。

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保険

Dさんの運用目的は、老後資金。実際に必要になるまでには10年以上あり、ファンドの投資経験もあるので、積極的な運用も可能だ。下の子どもが大学を卒業してから定年までの6年ほどの間に老後資金のラストスパートをかけられるので、今回のボーナスからの50万円は、先進国債券ファンドで本格的な運用に回したい。現状の資産が円に偏っているので通貨分散の効果も得られる。半分に目減りしてしまった国内株式ファンドは、このまま保有して今後の復活を待つのもいいが、リスクを分散しつつリターン向上を目指すなら、一部を損切りして海外株式ファンドに振り向けるのもひとつの方法。

保険面では、生命保険が収入保障保険で2000万~2500万円程度。変額終身保険で300万~500万円。医療保険は入院日額5000~1万円を確保しよう。また、40代後半といえば、親の介護が必要になる年代。自分の介護保障を考えるいい機会になる。民間の介護保険も商品が増えているので、検討するのもいいだろう。

●資産が値下がりした。損切りすべきか

[資産運用]現在の保有資産が円建に偏っているため、ボーナスの50万円は、海外資産に投資して通貨分散を。先進国債券ファンドなら比較的安定リターンが狙える。また、値下がりした国内株式インデックスファンドは、保有を続けて復活を期待するより、半分程度を海外株式ファンドに振り向けて通貨分散効果と、リターン向上を狙ったほうがいい。定期預金は予備資金と教育費用に保有継続。

[保険]子どもの教育費がもうしばらくかかるため、生命保険は収入保障保険で2000万~2500万円程度を確保。葬式代などは変額終身保険で300万~500万円。終身医療保険は入院日額5000~1万円を用意。変額終身保険と終身医療保険は妻の分も加入しておきたい。

【POINT】そろそろ民間の介護保障も検討を/40代後半になると、自分の親の介護を経験するケースも多くなる。それを機会に自分自身が将来、要介護状態になった場合の備えも気になる頃。公的介護保険は、サービスの支給が基本なので自由度は低い。一方で民間の介護保険は、一定の要介護状態になると、一時金や年金形式で給付金が受け取れるので、自由に資金を利用できる。

(※図版は取材をもとに編集部作成)

(向山 勇=編集・構成)
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