手帳にはもっと別の使い道がある。私がそれに目覚めたのは、外資系生命保険会社への転職がきっかけでした。今度は完全歩合制ですから、結果を出さなければ収入の保証はありません。それで、自分を磨くことやモチベーションを高めることにそれまで以上に自覚的になり、そのために、日々持ち歩く手帳を活用することにしたのです。

「自分の考え」や「将来の希望」「元気をもらった言葉」などを書いては読み返すようにしていたら、そのうち手帳を開くのが楽しくなってきました。それだけでなく、頭が整理され、やる気が出てくるのです。

手帳にこんな効果があるとは自分でも驚きでした。そこで、さらに手帳を研究し、市販されているさまざまな手帳を端から試してみたのですが、どれもしっくりきません。

最終的に、手帳に自分を合わせるのではなく、自分に手帳を合わせればいいのだと発想を転換し、オリジナルの手帳をつくることにしました。その結果誕生したのが「下川式成功手帳」です。

そんな私には、モチベーションを上げたり夢を実現するために手帳を活用している人が1割かそれ以下という図1の結果は、もったいないと思えてなりません。

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図2 成果を出す人はデジタルとアナログを駆使している人が37%/図3 マンスリー型が人気!/図4 「スーツポケットサイズ」が圧倒的人気

年収1200万円以上で「デジタルとアナログの両方を併用している」人の割合が多いのは、それが合理的だからでしょう(図2)。たとえばiPhoneにはさまざまなビジネス用アプリが用意されています。年収が多い人ほど仕事の量が多く、内容も複雑ですから、必要性にかられてそういうものを利用しているということは容易に想像できます。一方、年収400万円台に「手帳を使っていない」人が2割もいるのは、ルーティンワークや単純作業が中心なので、わざわざ書き留めておくことがないからかもしれません。

年収にかかわらず、マンスリー型の人気が高いのは、多くの人にとって手帳が、いまだスケジュール管理の道具でしかないからでしょう(図3)。ただ年収1200万円以上では週間レフト型も人気がありますね。仕事ができる人ほど、予定以外にも書き込むことがたくさんあるので、その分のスペースがあるほうが便利なのだと思います。