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図2 ミッシーを“具体化”したのが「フレームワーク」

最後に忘れてはならないプロセスがある。それはミッシーであげた要素に優先順位をつけることだ。ミッシーで全体像を明らかにしたら、全体への影響が大きい部分を見極め、どこにリソースを投入すべきかという意思決定につなげていくのである。

フレームワークとは、こうしたミッシーの思考プロセスを具現化したものと考えてもらえばいい。ビジネス分野では図2のように、さまざまなフレームワークが開発されている。「反対は?」「その他は?」といちいち考えなくても、枠組みに沿って要素をはめ込んでいけば全体観を掴むことができる。

フレームワークは既存のものに頼らず、自分で新しいものをつくってもいい。たとえば季節に関するフレームワークは「春、夏、秋、冬」が一般的だが、南国では「乾期雨期」、紳士服の世界では「夏物、冬物、あい物」と分けたほうが相応しいかもしれない。自分のビジネスにあわせて、柔軟にフレームワークを使いこなしてもらいたい。

(※図版は取材をもとに編集部作成)

芝浦工業大学大学院客員教授、経営コンサルタント 西村克己
1956年生まれ。82年東京工業大学経営工学科大学院修了。富士フイルム、日本総合研究所を経て、2008年より現職。『問題解決フレームワーク44』『戦略決定フレームワーク45』ほか著書多数。
(構成=村上 敬 撮影=川井 聡)
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