アイスクリームは比較的虫歯になりにくい

ちょこちょこダラダラ飲みが習慣になると、たくさんの歯がむし歯になってしまうので怖いです。夏の暑い電車の車内でペットボトルのスポーツ飲料を飲ませているママ・パパをよく見かけて、「ダメだよー。飲ませるなら、水かお茶!」と私は心の中で叫んでいます……(アスリート以外は、熱中症予防にスポーツ飲料は不要です)。

もちろん、食べ物でも同じようなことが起こっています。お菓子の場合はさらに歯にくっついたり、歯の間に残ったりするので、むし歯菌がそれをエサにして増え、酸を出して歯を溶かします。この場合は、歯のかむ面や歯と歯の間がむし歯になります。

ただ同じおやつといっても、糖分と歯への粘着性によってむし歯のなりやすさが違うので、ぜひ参考にしてください。

例えば、先ほどの遊離糖が入っていない、果物や野菜の自然な甘み、牛乳は問題ないのですが、遊離糖が入っている菓子パンなどは注意が必要です。お菓子の中でも、甘くないおせんべいはむし歯になりにくいですが、甘いアイスクリームも比較的むし歯になりにくい分類になります。

アイスクリームは(中に固形分が入っていなければ)歯にくっつくことがないので、食べたあとに水やお茶を飲めばよいのです。

バニラアイスクリームをディッシャーですくう手元
写真=iStock.com/kuppa_rock
※写真はイメージです

“歯にべったりくっつくお菓子”が最もリスクが高い

生澤右子(著)、有田秀穂(監修)『集中力が高まり、心の強い子になる! 噛む力が子どもの脳を育てる』(青春出版社)
生澤右子(著)、有田秀穂(監修)『集中力が高まり、心の強い子になる! 噛む力が子どもの脳を育てる』(青春出版社)

やはり危ないのが、チョコレートやウエハース、かりんとうなど、私たちも食べる機会が多い、甘くて粘着性もあるお菓子です。意外に思うかもしれませんが、ポテトチップスも油分が多く粘着性があり、デンプンは分解されて糖になります。

そして、一番むし歯リスクが高いお菓子が、キャラメルやヌガーといったほとんどが糖分の、べったり歯にくっつくタイプです。くっついている間ずっと、むし歯菌のエサとなってしまいます。

ということで、甘いものが絶対ダメというわけではなく、ちょこちょこダラダラ食べないように食べ方に気をつけたり、食べたあとに水やお茶を飲んだり、歯磨きをするなどして、その後、口を休ませるようにすればよいのです。

「甘いものはゼロにしなきゃダメ!」と頑張る必要はありません。締めるところは締める、ゆるめるところはゆるめる、といったように緩急をつけて上手にコントロールしていきましょう。