ペットボトルの“ダラダラ飲み”が危ない
酸っぱい飲み物は口の中を酸性にして、歯が溶けていってしまうのです。そして、甘い飲み物も、実は酸性度に注目すると、歯を溶かすような酸性の飲み物です。
ペットボトルが特に悪いのは、便利にいつでも飲めてしまうことです‼ つまり、フタがついているおかげで、一気に飲みきらないで、ちょこちょこダラダラ飲んでしまいます。
唾液の役割のひとつとして、口の中で酸性度が高くなると、うまく中和して歯が溶けないように調節してくれるのですが、ちょこちょこダラダラ飲むと、調節が効かなくなり、口の中の酸性度がずっと高いままになってしまうのです。
口を「休ませる」ことが大切です。ですから、私がお勧めしている方法は、「ジュースが飲みたいなら、おやつの時間に飲もうね」の一言です。決まった時間におやつとして飲めばOKです。そして、そのあとは口をすすいだり、歯を磨いたりすることを忘れずに。このとき、ペットボトルではなく、小さなジュースの飲みきりパックやコップで飲むようにすればよいのです。
のどが渇いても、水かお茶しか飲ませません。自販機で買うのは、水やお茶がなくなったときだけ、とルールを決めて、例外を作りません。「ジュースをここで買って飲んだら、今日はあとでおやつないよ」などと言って、ジュースをちょこちょこダラダラ飲まずに、今飲むか、やめるかを選ばせます。どんなにしつこくても、しっかり選ばせて、約束させます。
「白い線のようなもの」は虫歯になりかけのサイン
そうすると、子どもは「やっぱり、あとにする」と言って、その場から離れると、興味がもう次に行ってしまって、けろっとしていることがほとんどです。
ここまでの話のポイントは、「口を休ませる」と「ジュースはおやつと考える」ということです。甘かったり酸っぱかったりする飲み物をちょこちょこダラダラ飲んでいると、口が休んだことにならない(口が酸性になったまま)ので、歯が少しずつ溶けていきます。私が毎月見回りしている保育園の園児さんで、ふだんからジュースを飲んでいると、口の中を見て当てることができます。
わかりやすいのは、だいたいの歯で、歯ぐきに近い部分に白い線のようなものが浮き上がっています。ひときわ白く光沢がなくなっている状態です。
その白い部分は、歯から大切なミネラルが失われていて、むし歯のなりかけです(意外に思われる方が多いのですが、初期むし歯は白いのです)。まだ削ることなく回復できるのですが、もう少し進行すると、黒い穴があいて、むし歯となります。


