14年で14倍…急増する発達障害児
いつもぼんやりしている。落ち着きがなくて、机に座っていられない。すぐにかんしゃくを起こす……。
今、そんな気になる行動を起こす子どもが増えているといいます。文部科学省の調査によれば、2006年には7000人弱だった発達障害児が、2020年には9万人を超えたことが分かりました。つまり、14年間で14倍に急増したということです。
しかし、本書の監修者である小児科医の成田奈緒子先生は「そのうちの多くの子どもは発達障害ではなく、“発達障害もどき”かもしれない」と指摘されています。臨床の現場でそうした疑いのある子どもたちを診ると、発達障害の診断が付かない例がたくさんあるのだとか。そして、その多くに生活リズムと食生活の乱れが見られるといいます。
生まれてすぐは、まず昼行性の動物として生きる基盤となる脳を育てるために、寝て、起きて、ごはんを食べるといった毎日の生活こそが一番大切です。この「からだの脳」が育つことではじめて、その後の理性や思考を司る「おりこうさんの脳」が育つ。つまり、「からだの脳」が未熟だと、感情コントロールも勉強をするための集中力も育たないというのです。
脳はいつでも成長できる
しっかり寝て起きないと健全な食欲が起こらない。また、睡眠不足のときに怒りっぽくなったりぼんやりしてしまうこともよくあります。小さな子どもなら、なおさらでしょう。「子どもがどうも不安定だな?」と感じたときは、まずは基本的な生活を見直すことが、解決の早道となるかもしれません。
私がPTA主催の講演会などでこうしたお話をすると、「これまで忙しくて子どもに栄養価の高い食事を食べさせてこなかった」「なかなか成績が上がらないのは私のせいでは」と泣き出すお母さまがいました。そして「今からでも間に合いますか」と尋ねてこられます。
私はいつも、「大丈夫です! 脳はいつでも成長できる。これからしっかり勉強できる脳に育ちます」とお答えしています。
成長過程にある子どもの脳は悪い影響も受け止めやすいですが、よい影響もしっかり受けてくれるもの。よく寝て、起きて、食事をしっかりとれば、子どもの脳は、明日からみるみるよい方向へ変わってくれるはずです。

