「○点も取れたなんてすごいね」に潜むリスク

一方、子どもがテストでよい点を取ってきても、あまり反応しない親御さんもいます。「公立中学のテストなんて、そのくらいの点が取れて当たり前でしょ」とやり過ごしてしまう。ですが、親御さんの「当たり前」は、子どもにとっては当たり前ではありません。

新しい内容を学び、そのテストがよい点数だったのは、お子さんががんばったからです。「がんばったね」と声をかけるだけで、子どもは自分の努力が認められたと感じ、自信につながります。

もしくは、子どものテストがよい結果だったとき、その点数を見て、「90点も取れたなんてすごいね!」と喜びの声をかけるパターンもありますね。このほめ方が絶対にダメなのではありませんが、こういうほめ方はよい点のときはいいけれど、悪かったときは「こんな点数を取ってしまった僕(私)は、親から認めてもらえない」という恐怖心をもちやすくなります。

マーカー式のテストと鉛筆
写真=iStock.com/Aslan Alphan
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子どもを「本当に伸ばす」一言

ですから、できるだけ点数ではなく、そのよい結果をもたらした子どもの行動にスポットを当て、そこをほめてほしいのです。

「今回は英単語を本当によく勉強していたよね。スペルミスが1つもないなんてすごいなぁ!」

「社会はあの暗記ノートが効いていたのかもね。あなたの読みがバッチリ当たったね!」など、子どもなりに考えてやってみた対策が功を奏したら、そこは大きなほめポイントです。

ただ、これは親が子どもを普段からよく見ていないと言えません。なぜなら、親御さんがよかれと思って言ったことが正しいとは限らないからです。たとえば、親がほめた、その社会の暗記ノートは○○くんが書いたもので、子どもはそれを写させてもらっただけだったとか。なので、ムリに「ほめポイントを見つけなきゃ!」と気合いを入れないほうがよかったりもします。

「じゃあ、どうしたらいい?」と言いたくなりますよね。だから、とっておきの一言がこれなのです。

「やっぱりできると思った。あなたを信じてよかった」