「中学受験をしたい」に過度に期待してはいけない

そして、いよいよ「私も受験をしたい!」宣言をするわけだが、ここに強い意志があるなんて思ってはいけない。確かに「受験をしたい」と思ったことは事実ではあるが、その世界がいかに過酷であるかなど小学生の子供が知るよしもない。ただ、仲のいい○○ちゃんと△△ちゃんが同じ塾に通うというので、自分も行ってみたくなっただけ。「○○ちゃんたちと一緒にフラダンスを習いたい」と言っているのと、同じ感覚だ。つまり、ただそういう気分だったから、言ってみたに過ぎないということ。

初めは、塾という新しい世界が楽しくて、張り切って勉強をするかもしれない。だが、中学受験の勉強は3年間の長期戦だ。わずか10年ほどしか生きていない子供にとって、その3年間はとてつもなく長い。だから、頑張れる日もあれば、頑張れない日もある。それが小学生というものだ。

でも、それを許せないのが親。なぜなら、中学受験をするのであれば、毎日勉強をするのが当たり前だと思っているからだ。しかも、自分から「受験をしたい」と言ってきたのだ。その言葉が余計に親を苛立たせることになる。だから、子供が「中学受験をしたい」と言ってきても、過度に期待してはいけない。

勉強に集中しない子供を見ている両親
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「自分を律して頑張る」のは小学生には難しい

まず、「○○中学に合格するために頑張る!」といった、親が望むような展開にはならないことを知っておくことだ。そもそも親でも把握しきれないほど、首都圏には数多くの中高一貫校がある。この中から自分の行きたい学校を、子供自身に選ばせるのは現実的ではない。

なかには「俺は絶対に御三家に行くぞ!」なんて豪語する男子もいるが、それは「どうやら御三家と呼ばれる学校は、頭のいい子が行く学校らしい」くらいの情報しかない。つまり、単に憧れを、もしくは知っていることを言っているだけなのだ。そのくらい、子供たちは何も知らない状態から、中学受験の勉強を始めることになる。

誤解しないでほしいのだが、中学受験に目標校は要らないといっているわけではない。高い目標があって、それに向かってコツコツ頑張っていけるタイプの子なら、目標校はあったほうがいい。だが、そういう子はそう多くはない。なぜなら、小学生の子供は、まだ自分を律して頑張るというのがなかなか難しいからだ。

では、どうしたら頑張らせることができるのか――?