失敗の後のダメ出しは傷口に塩を塗るのと同じ
こういった場合、一番つらいのは失敗した子ども自身です。子どもは無茶した後でも失敗した自分をいたわってほしいという気持ちがあります。にもかかわらず失敗の後にダメ出しをされると、逆にそこで傷口に塩を塗られ、傷ついてしまうのです。
そういった子どもを前にした場合、まずは一呼吸おいて心の中で「つらいのは子ども」とつぶやきましょう。そして、失敗した子どもにねぎらいの言葉をかけ、悔しい気持ちに共感してあげます。その後、今回の失敗は自分にとってどうだったか、子ども自身の声を聞いてみましょう。自分から反省して「もうしない」と言うかもしれませんし、「もう一回やってみる」と言うかもしれません。
もしもう一回やるとすれば、次はどこに気をつけるかなどを聞いてみるといいでしょう。例えば、「頑張っていたけど痛かったね。泣かなかったのは偉かったよ」「転ばないためにはどうしたらいいかな?」など、過去の失敗に向き合わせるのではなく、これから先のことを一緒に考えていくといいでしょう。そうすることで子どもは見通しがもてるようになります。
もちろん、明らかに無謀なことや危険なことは事前にやめさせる必要があります。その場合は、「○○したら駄目」と行為を否定するのではなく、「△△しなさい」と適切な行動をするよう肯定文で促しましょう。
例えば、「一輪車に乗るのは駄目」ではなく、「自転車に乗れるようになってから一輪車にチャレンジしなさい」などです。子どもが失敗したときには、一緒に今後のことを考え、子どもの気持ちに寄り添うことが、次の挑戦への意欲を育むために大切なのです。
大人は「コツコツやりなさい」と言える立場か
大人が子どもに継続して勉強することの重要性を伝えるとき、つい「毎日コツコツ勉強しなさい」と言ってしまうことがあります。子どもには毎日コツコツ勉強して、積み重ねをしてほしいという思いがあるためでしょう。
しかし、「コツコツ勉強する」という言葉を聞くと、おそらく子どもは修行僧のようなつらい苦行のイメージを思い浮かべるのではないでしょうか。勉強が苦手な子どもはたいていコツコツ勉強するのが苦手です。「苦手なことを克服するために苦手なことをしなさい」と言っているのがまさに「毎日コツコツ勉強しなさい」という言葉かけなのです。コツコツ勉強することのイメージがもてないのに、先の見通しがもてるわけがありません。
しかも厄介なことに、ほとんどの大人は子どもの頃から毎日コツコツ勉強した経験は少ないはずです。私もそうでした。一方で子どもにはコツコツ勉強してほしいという気持ちから、子どものペースや能力を見ずに「こうするべきだ」という考え方を押しつけてしまい、子どもの見通しを奪い、やる気を失わせてしまうのです。


