「宿題したの?」と口うるさく言うほどやる気を削ぐ

親が子どもに「宿題したの?」と確認する場面は日常的によくあります。特に、子どもの成績が悪いにもかかわらず、勉強もせずにYouTubeなどの動画やゲームに夢中になっていると、親は「またゲームばかりやっていて、勉強はどうするの?」と思うのは当然です。親としても子どもの先行きが見えず焦りと不安が増すばかりです。

宮口幸治、田中繁富『「頑張れない」子をどう導くか 社会につながる学びのための見通し、目的、使命感』(ちくま新書)
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また親からすると、今、自分がしっかり言わないと子どもは何もやらないのでは、と口うるさいとは思いつつも、つい「宿題は?」と言ってしまうのです。

しかし、このような声かけは、いっそう子どものやる気を削いでしまうことも少なくありません。想像してみてください。

もし我々も毎日家族から「ダイエットしなさい」と言われ続けるといかがでしょうか。それで心を入れ替え「そうか。では頑張ってダイエットしよう」となることはあるでしょうか。「そんなことは自分が一番よく分かっている。放っておいてほしい」と思うのが当然でしょう。にもかかわらず家族がダイエットについて言い続けると、家族の関係は殺伐としたものになるかもしれません。

これは子どもに「宿題は?」「勉強しなさい」と言い続けるのと根本的には変わりません。特に、そろそろ宿題しようと思ったときに「宿題やったの?」と言われると、出鼻を挫かれ「そんなこと分かっているよ。放っておいて」と言い返したくなりますし、そこでもし宿題をやってしまうと結果的に親の指示に従ったことになります。

親のほうも、「宿題したの?」と言った時に子どもが宿題をすると、効果があったと勘違いし、その後も「宿題したの?」を繰り返してしまいます。しかし、子どもにやる気がない時は言ってもやらないので、親は混乱して、もっと強く言わなければと思い「宿題したの?」と言い続けてしまい悪循環に陥ります。