まずは「できた」経験を増やしてあげる

コツコツやるというのが悪いわけではありません。地道に努力を重ねる、といった意味ではとても大切なことです。

ただ、「コツコツやる」のはいいとしても、「コツコツしなさい」といった言葉かけがよくないのです。努力できない子どもに「もっと努力しなさい!」と言うよりも、努力できるような動機づけをどうすればいいかを考えるほうが効果的なのです。そういった意味で、コツコツやるのが苦手な子どもにとっては、とにかく「できた」という見通し体験を優先させたほうがいいでしょう。

勉強は、必ずしも基礎を学んでからでないと解けない問題や基礎的なことが土台になっている問題ばかりではありません。例えば算数の「図形」の面積は公式が分かれば答えを出すことができますので、もし掛け算や割り算が苦手でも、とりあえず電卓を使えば面積の問題は解けます。すぐに「できた」という体験を持たせることは可能です。

学ぶ順番にこだわりコツコツと計算の練習をさせるなど、先に基礎的なことを求める必要はないのです。まずは「できた」という体験を増やし、少しでも学習への不安を減らし見通しをもたせてあげましょう。コツコツやるのはその後からでもいいのです。

家庭教育の概念
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「分からない自分=ダメな自分」と思い込ませない

子どもが分かるまで丁寧に教えてあげたい、という熱心な先生がおられます。子どもが「分かる」と、先生自身も、子どもがその先の見通しをもてると感じるのでしょう。もちろん勉強が「分からない」よりも「分かる」ほうがいいのは当たり前ですが、ときに「分かること」に強くこだわり過ぎると、それが逆に子どもの見通しややる気を奪ってしまうこともあります。

「分かること=よいこと」を強調されると、子どもは分かることへのプレッシャーを感じて、逆に「分からないこと」への恐怖心が出てきます。「分からない自分=駄目な自分」と繋がってしまうことがあるからです。

先生も分からせるために子どもの能力や個性、ペースを見なかったり、レベルを下げすぎたり、必要なことでも省略してしまうことがあります。そうすると子どもが分からないことに対し「考えてみる力」、「分かろうとする力」が次第に弱くなります。

一方で勉強はどんどん難しいことに進んでいき、いつか必ず分からないことが出てきます。そこで「分からないこと」に遭遇すると、見通しがもてなくなりプレッシャーや恐怖心からやる気をなくしてしまうのです。

そこで、代わりに「分からないことは駄目なことではない」と伝えてあげましょう。