この自社運用のノウハウを「同じ悩みを抱える中小企業のために」と、月々3万円からの低コストで導入できるようにした経費精算システムが、同社のクラウドサービス「楽楽精算」である。

月3万円からの低コストで業務を大幅に効率化

中村崇則●なかむら・たかのり
株式会社 ラクス 代表取締役社長
1973年生まれ。本来高額な業務系システムを、クラウドを利用し低価格で提供することで多くの支持を集める。中小企業を中心にクラウドサービスの導入実績は1万社以上、設立以降13年連続で増収を達成するなど成長を続けている。

「楽楽精算」を利用すれば、経費精算にかかわる全ての処理を直ちに一元管理することができる。最大のメリットは、経費精算業務を電子化することで人的ミスの防止と業務の大幅な効率化を実現できることだ。

「楽楽精算」には乗換案内ソフトが内蔵されており、経路を選択すれば自動的に運賃が入力される。SuicaやPASMOなどのICカードの利用履歴はそのまま読み込んで申請が可能だ。あらかじめ登録した定期区間の運賃は自動控除されるので、上司や経理担当のチェック作業も軽減する。

さらに自動仕訳や会計ソフト連携機能で、経理業務も大幅に効率化される。導入も簡単で、従来の運用を変えたくない企業のために、いままで使用してきた紙やエクセルの伝票の体裁をそのまま電子化させる機能もある。しかも導入後は、各種の機能が自動的にバージョンアップされていく。最近でもクレジットカードとの連携機能などが強化されたが、常に最新のサービスを利用できることも、クラウドの強みといえるだろう。

導入した企業からは「経費精算に関わる業務が3分の1に減った」「小口現金を廃止することで、5人で対応していた作業を2人で回せるようになった」と、劇的な改善効果への高い評価が寄せられている。業務のシステム化に多くのコストと労力をかけられない中小企業にとって、このようなクラウドサービスの活用がIT化の大きな推進力になっていくことは間違いないだろう。